田舎でのお悩みを、田舎暮らしのベテランライターが回答。冬のスリップ事故になりそうになった方のお問い合わせです。雪道走行で注意したい点や運転のポイントを教えます。

冬休みに山荘へ出かける途中、雪道で車が動かなくなりました。通りかかった人に助けてもらったのですが、「この季節に夏タイヤとは何を考えているんだ。車も4WDじゃないとダメだよ」と叱られました。翌日、自動車屋で冬タイヤに交換。下り坂でブレーキを踏んだら反対車線にスリップして、危うく大事故になるところでした。冬道走行の注意点は?
秋田県在住 日下さん●50歳

特に注意したいブラツクアイスバーン

 日下さんは夏タイヤのまま別荘へ向かい、雪道で車が動かなくなった。1つ間違えればスリップして谷底に落ちることもあるわけで、地元の人から見れば自殺行為だ。出かける前に現地の天気予報を確認し、スタッドレスの冬タイヤに履き替えるくらいの用心深さがほしい。

 冬道が怖いのは、路面陳結という現象が起きるから。車の重みで雪が圧縮された圧雪アイスバーンや、表面がテカテカになるミラーバーンといった路面になると、車が滑りやすくなる。もっと怖いのは、ブラツクアイスバーンと言われる現象だ。路面が黒いまま凍結し、大事故につながることも多い。これを見分けるには、雪道の経験を積むしかない。

エンジンブレーキで減速するのがポイント

 冬道に慣れると、滑りやすい場所がわかってくる(下の図参照)。まずは峠付近。特に下り坂のカーブは滑りやすい。地熱のない橋の上、トンネルの前後、山や建物で日陰になったところなども要注意だ。

 事故を避けるには、急ブレーキ、急ハンドル、急加速など、「急」のつく行為を避けること。特に危ないのは急ブレーキで、アイスバーンで滑ると、まさにお手上げになってしまう。それを防ぐには、下り坂などの滑りやすい場所では、極力、ブレーキを踏まないことだ。

 減速のポイントは、エンジンブレーキを多用すること。下り坂にさしかかったらブレーキを踏まずに、ローまたはセカンドギアにシフトチェンジするのだ。スピードが充分に落ちてから、ブレーキを踏むといい。

 自信がないという人は、冬道は運転しない、昼の好天時以外はハンドルを握らない、と自分でルールを決めるのも1つの手である。


路面凍結した峠付近。ここまで凍ると、最徐行で通り過ぎるしかない。