演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、『Medicine メディスン』、『ハムレット』、『ハムレットQ1』【伊達なつめさんの一押しステージ情報】の3本をピックアップ!

『Medicine メディスン』

『Medicine メディスン』撮影=阪野貴也

アイルランドの劇作家エンダ・ウォルシュの描く世界は、取りつく島がないほど不可思議を極めた時空間で展開することが多い。「施設やホームにいたり中毒者だったり、見守られることが必要な人たちについての物語」という2021年英国初演のこの作品もワンダーランドの予感。3人のキャストの言動に揺さぶられに行こう。

作=エンダ・ウォルシュ 翻訳=小宮山智津子 演出=白井 晃
出演=田中 圭、奈緒、富山えり子/荒井康太(Drs)
5月6日 (月・休)〜6月9日(日) シアタートラム(※当日券あり) ※兵庫、愛知、静岡公演あり
(問)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03-5432-1515

彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念
彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1
『ハムレット』

『ハムレット』

蜷川幸雄のもとでシェイクスピア全37戯曲上演を達成した彩の国さいたま芸術劇場が、蜷川からの信頼が厚かったシェイクスピアリアン・吉田鋼太郎による新シリーズをスタート。他の36作とは別格の思い入れがあるという『ハムレット』で吉田が白羽の矢を立てたのは、繊細な表現力に定評ある柿澤勇人。ベストキャストだと思う。

作=ウィリアム・シェイクスピア 翻訳=小田島雄志 演出・上演台本=吉田鋼太郎
出演=柿澤勇人、北 香那、白洲 迅、渡部豪太、豊田裕大、櫻井章喜、原 慎一郎、山本直寛、松尾竜兵、いいむろなおき、松本こうせい、斉藤莉生、正名僕蔵、高橋ひとみ、吉田鋼太郎
5月7日(火)〜26日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール ※宮城、愛知、福岡、大阪公演あり
(問)彩の国さいたま芸術劇場 TEL:0570-064-939

PARCO PRODUCE 2024
『ハムレットQ1』

『ハムレットQ1』

『ハムレット』には3種類の原本があるそうで、Q1と名付けられた今回の版は発行年がもっとも古いうえに、他の2種類と比べ約半分の短さ。倍速視聴とかと違ってもともとがコンパクトにできているのだから、まったく問題ないどころか圧倒的に現代人の味方では。吉田羊×森新太郎コンビの知的でスタイリッシュなシェイクスピアに期待。

作=ウィリアム・シェイクスピア 訳=松岡和子 演出=森 新太郎
出演=吉田 羊、飯豊まりえ、牧島 輝、大鶴佐助、広岡由里子、佐藤 誓、駒木根隆介、永島敬三、青山達三、佐川和正、鈴木崇乃、高間智子、友部柚里、西岡未央、西本竜樹/吉田栄作
5月11日(土)〜6月2日(日) PARCO劇場 ※大阪、愛知、福岡公演あり
(問)サンライズプロモーション東京  TEL:0570-00-3337