2月21日にバンダイナムコエンターテインメントよりPS5/PS4,ニンテンドースイッチ,PC(Steam)向けタイトルとして発表された『ガンダムブレイカー4』。

本作は「ガンダム」シリーズのプラモデル“ガンプラ”をモチーフにした「ガンダムブレイカー」シリーズの最新作で、モバイル向けの作品を除けば実に6年ぶりとなるファン待望の一作となっています。

筆者は今回、運よくメディア向け先行試遊に参加する機会に恵まれました。かつてPS3で『ガンダムブレイカー』と『ガンダムブレイカー2』を楽しんだ筆者にとって、本作発売の報せはまさに朗報。本記事では約2時間の試遊時間のなか、本作がこれまでのシリーズからどう進歩したのか、そして最初のプレイアブル機体が最終的にどのような「俺ガンプラ」になったのか、その変容とプレイレポートをお伝えしていきます!

◆創って壊せ!壊して創れ!それが「ガンダムブレイカー」
「ガンダムブレイカー」シリーズのジャンル名は「創壊共闘アクション」。これはミッション中に登場する敵ガンプラに攻撃を当てて、頭や腕などの各部位を外して敵を破壊、外れたパーツを入手してガンプラを創り上げていく…といったシリーズの根幹を表す造語です。

本シリーズの楽しみは、なんといっても自分だけのオリジナル機体「俺ガンプラ」を創ること。何度もミッションに挑み、敵を破壊し、新たなパーツで自機を強化していく、いわゆる「ハクスラ」的なサイクルをガンプラに当てはめた点が「ガンダム」シリーズのゲームとしてユニークな点でした。

はじめに所持している機体は「HGUC 1/144 RX-78-2 ガンダム」。アニメ『機動戦士ガンダム』の主役モビルスーツ(ロボット)、いちばん最初のガンダムですね。なお「HG」とは簡単にいうとガンプラの規格のことで、このほか「MG」「PG」などが存在し、後者にいくほどサイズが大きくなっていきます。

◆自分だけの機体を創り上げる。これが「俺ガンプラ」だ!
チュートリアルを終え、いよいよパーツを組み替えていきます!現実のガンプラでは実現が難しいような組み合わせも、本作では簡単に試すことができます。頭部、右腕、左腕、脚部、バックパックのほか、両腕に近接・遠距離武器を合計4種、さらに機体各所にオプションとして「ビルダーズパーツ」を装備可能で、カスタマイズの自由度は非常に高くなっています。

また、これまでのシリーズでは両腕はワンセットとして扱われていましたが、本作からは左右で別のパーツを組み合わせることができるようになりました。

見かけ上アンバランスな機体を創ってみるのも一興。むしろそうした組み合わせを試せることこそ、本作の醍醐味といえるのではないでしょうか。

ひとまず筆者はパーツ性能と外見を鑑みて「HGUC 1/144 アッガイ」の頭部を「HGUC 1/144 RGM-79 ジム」の細身なボディに搭載。右腕と脚部は「HGUC 1/144 MS-06S シャア専用ザクII」を使用します。試遊を開始して早々、もはやガンダムの影も形もありません。

カラーは戦場で目立ちたいので赤と黒で塗っています。アンバランスな背格好ながら、こうして色を統一してみると違和感が薄まり、アニメに出てきた機体かと一瞬錯覚しそうになります。まだ序盤ですが、カスタマイズの幅に窮屈さは感じません。登場ガンプラは250体以上とのことなので、いまからカスタマイズの想像が膨らみますね。

◆プラモの糧は、戦場にある―ミッションでパーツを集めよう
ミッションの受注などを行うメインロビー。ここではソロプレイ用のオフラインロビーと、オンラインロビーを切り替えることができます。案内役は色とりどりの「ベアッガイ」たち。また今回の先行プレイでは実装されていませんがロビーでは様々なイベントが告知されるようです。

なお以前のシリーズではメインロビーのアバターはパイロットスーツの人間キャラでしたが、本作からは自分のガンプラがそのままアバターとして表示されるようなりました。そのため一層ガンプラの注目度が上がり、カスタマイズにも気合が入ります!

今回の試遊では森林地帯・荒野・月面の3ステージをプレイすることができました。先ほどカスタマイズした赤いアッガイ、名づけて「アッカイ」で出撃します!

筆者の誇る俺ガンプラ・アッカイの武装は二挺のライフルによる高速射撃とビームサーベルでの連続攻撃。近づく敵は頭部バルカンで蜂の巣にしていく戦闘スタイルです。

序盤のステージということもあってか敵の耐久力は低めで、体感的には以前のシリーズよりもパーツが多く手に入る印象をおぼえます。また、パーツはこちらから接触しなくても自動的に回収されるようになっていたり、敵機を空中に打ち上げた際の滞空時間が増えたことでコンボが決めやすくなっていたりと、戦闘は過去作よりストレスフリーになっていると感じました。

本作はコンボを長く繋げることで敵のパーツドロップ率が上昇するため、できるだけ多くの攻撃を当てていくことが重要になっています。

他方で前作まではミッション中に表示されていた「エースポイント」という行動評価システムは、ミッションクリア時のリザルトでスコアに加算されるようになっています。このため、ミッション中はひたすらコンボボーナスとクリアまでの時間に集中でき、以前より明快なプレイスタイルへと変化していると感じました。

斬撃やミサイルの煙などが漫画チックなエフェクトになっていて視覚的におもしろみがある一方で、パーツを吹き飛ばした際のヒットストップや効果音といった演出面が少々地味に感じられる部分がありました。

「ガンダムブレイカー」シリーズは“壊す”こともゲームの醍醐味です。特に、これまでのシリーズではパーツを外した際の手応えが前述のような演出によって明確に作り出されていたため、この点は余計に物足りなく感じてしまいました。こうした部分がよりブラッシュアップされれば、空中コンボの決めやすさと相まってより爽快なゲームになるのではないかと思いました。

ミッションは3回のウェーブで構成され、1ウェーブの最後に強敵が登場、それを撃破すれば次のステージに自動的に移動します。最後の3ウェーブ目ではミッションボスが登場し、撃破することで貴重なパーツが手に入ります。

◆いっしょに戦おう―マルチプレイで強敵に挑む
さて、今度はオンラインロビーでミッション参加者を募って再び出撃!「アッカイ」の活躍を試遊参加者に見せつけます。

共闘では「俺ガンプラ」を創って他人に見せられる楽しみはもちろん、他人の創ったガンプラを見るのも楽しみのひとつ。メディア向け先行試遊のなかで出会ったガンプラに外見が似通った機体は一体もおらず、本作のカスタマイズの幅広さを感じました。

オフラインでプレイしていた時以上にミッションはサクサクと進んでいき、あっという間に3ウェーブ目まで到達。共闘中は敵ガンプラのパーツが四方で乱れ飛び、「ガンダムブレイカー」らしい光景が繰り広げられていました。

月面のボスとして待ち構えていたのは「PG 1/60 RX-0 ユニコーンガンダム」。アッカイたちの2倍以上の大きさを持つ本機は、その巨体に群がる筆者たちの機体を薙ぎ払い、突進して吹き飛ばし攻撃を行ってきます。巨大ボスはダメージを与えられる部位が分かれており、膝をつかせたり転倒させたりして動きを止め、その隙に集中攻撃を掛けて攻略していきます。

一定のダメージを当たられたユニコーンガンダムは強化形態である「デストロイモード」に変形し、攻撃パターンが変化します。しかし歴戦のガンプラビルダーである我々の前では恐るるに足りず。ソロプレイでは強敵に思える敵も、3機の力を合わせてタコ殴りにし、無事ミッションを達成することができました。

◆“破壊・創造・出撃”のエンドレスワルツ
巨大ボスを倒したことでレアなパーツも手に入り、再びガンプラを組み替えていきます。この時点で筆者は完全に“破壊・創造・出撃”というサイクルから抜け出せなくなり、「次はどんな見た目にして、何を手に入れよう…」と、試遊であることをなかば忘れてどんどん楽しくなってきていました。

幾度か出撃を繰り返すうちにバックパックなどの背負いもの系パーツも充実してきました。無茶苦茶な体形のモビルスーツを創ってみたり、エンブレムやビルダーズパーツの位置を細かく調整したり…とマニアックなカスタマイズをしていると、瞬く間に時が過ぎていきます。

ああでもないこうでもないとガンプラをいじり、挙句フォトモードを撮影しているうちに残りの試遊時間が僅かであることに気づいた筆者。「まだまだプレイし足りないのにこれはまずい!」と思い、慌てて「アッカイ」をベースとした新たなガンプラ製作に着手することにしました。

◆そのアッガイは、ファンネルを駆る―「俺ガンプラ」の極限進化形
急ピッチで創り出された新たなアッカイ、その名も「アッカイ改」。主な変更点としては背中に「HGUC 1/144 RX-93 νガンダム」の「フィン・ファンネル」を装備し、遠隔攻撃とバリアフィールドによる攻防一体の戦法を実現。さらにボディは「HG 1/144 ウイングゼロカスタム」とすることで機体の運動性能を向上させる「ゼロシステム」が発動可能となっています。

頭部にはミサイルランチャー、左ヒザにスパイクを設けることで遠近両面での火力が向上。これが約2時間弱、敵との戦闘データを収集・蓄積した末に導き出された回答、筆者の最高傑作です。

こうして残り僅かな時間、筆者は自分の創った最強の「俺ガンプラ」アッカイ改とともに戦場を駆け抜け、その強さに酔いしれながら試遊を終えました。

以上のように本作は、筆者が創った「アッカイ」のように、もともとある「ガンダム」シリーズの設定を用いて妄想を繰り広げてみたり、はたまた「ガンダム」シリーズ以外のキャラクターを再現してみたりと、ガンプラを用いて様々な楽しみ方ができるゲームになっていました。

◆常識を壊し、非常識に戦え!自由に創れる「ガンダムブレイカー」の復活
本作はカスタマイズメニューの「ビルダーズパーツ」の付け外しが一度サブメニューを開く必要があるなど、やや煩雑な点こそあるものの、おおむね自分の創りたいものが創れる自由度の高いゲームになっていました。

また、創り上げたガンプラは背景やポーズをつけて写真に残すこともできるようになっています。こちらはミッションの合間に触っているうちに時間が足りなくなるほど、凝りはじめると終わりが見えないようなモードとなっています。

今回の試遊ではあいにく触れられませんでしたが、ガンプラにエフェクトをつけて3D空間に配置できるジオラマモードも搭載されており、ガンプラを250体以上収録というボリュームとあわせて、はてしなく遊びこむことができそうだと思いました。

据え置き型ゲームとしては初めて、テレビシリーズ最新作である『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラも収録され、ますます内容の充実した『ガンダムブレイカー4』は2024年にPS5/PS4,ニンテンドースイッチ,PC(Steam)で発売予定です。

また、アソビストアでは本作のパッケージ版を早期予約受付中。早期解放やパーツ特典が付属する通常版のほか、ガンプラ「ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーVer.)」やデジタルサウンドトラックの付属するコレクターズエディション、さらにシーズンパスとジオラマパックの付属するエディションなど、計4バージョンが用意されています。ダウンロード版にもデジタルデラックスエディションなど3バージョンが用意されているので、そちらもチェックしてみてください。

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