【鈴鹿】三重県鈴鹿市国分町の市考古博物館はこのほど、特別展示室で速報展「発掘された鈴鹿2023」を開き、令和5年に実施した市内4遺跡での発掘調査で出土した弥生時代から江戸時代にかけての瓦や埴輪(はにわ)、土器など約80点を展示した。6月16日まで。

 4遺跡は同市広瀬町の伊勢国府跡(長者屋敷遺跡)、同市木田町の磐城山遺跡、同市国分町の富士山1号墳、同市神戸8丁目の萱町遺跡。

 伊勢国府跡と富士山1号墳は保存目的の学術調査、磐城山遺跡と萱町遺跡は開発行為に伴う調査として、それぞれ実施。

 磐城山遺跡からは、長さ14・5センチ、幅10センチ、厚さ4・5センチの弥生時代の石製きねが壊れていない状態で出土。土器を着色するための顔料をつぶすのに使用していたもので、赤色の顔料がわずかに付着した状態で見つかった。

 そのほか、調査時に撮影した遺構や出土状況の写真、遺構の実測図など36点を展示する。

 同展は調査の成果報告、最新情報の発信を目的に、毎年実施している。

 同館では「遺跡や発掘調査が生活の身近なところにあることを知ってもらえれば」と話した。

 関連イベントとして5月19日と6月2日の各日午後1時半から、同館講堂でスライド説明会がある。テーマは19日が「常磐山遺跡」、2日が「伊勢国府跡、富士山1号墳」当日受け付け、各参加無料。

 問い合わせは同館=電話059(374)1994=へ。