NTTドコモは15日、共通ポイント「dポイントクラブ」のランクアップ必要ポイントを引き下げるなどの改定を行った。d払いとの組み合わせでポイントが獲得しやすくなるようにもなっており、これによって、高頻度の利用者から低頻度の利用者までメリットがあるとしてアピールしている。改定は2024年10月から行う。

 dポイントは、ドコモが運営する共通ポイント。ドコモのサービスの利用に伴ってポイントが付与される他、ドコモ以外の街の店やAmazonなどのオンラインサービスでもポイントがたまって使える。

 dポイントクラブ会員数は2023年末の時点で1億を突破。利用可能箇所も536万カ所まで拡大。オフラインのポイント加盟店は約11万店舗と業界最大規模となったとしている。

 dポイントに関連した決済サービスとしてd払いは約5970万ユーザー、クレジットカードのdカードは約1775万会員で、ゴールドカード契約数も1065万まで拡大して、dポイント会員と連携して利用が伸びているという。

●3カ月で50ポイント獲得すれば2つ星にランクアップ 100ポイントの条件を緩和

 現在のdポイントクラブは2022年6月に改定され、利用状況に応じてランクアップして獲得できるdポイントが増加する設計で、1つ星〜5つ星の5段階のランクになっていた。そのうち、2つ星になるためには3カ月間に獲得したdポイントが100ポイント以上となっている。

 改定されたプログラムでは、この判定基準を見直し、3カ月で50ポイントを獲得すればランクアップするようになった。これはドコモユーザーであればeximoで1GB以上の利用、ahamoなら毎月の利用料だけでランクアップする。非ドコモユーザーであれば、dポイント加盟店で毎月2000円分の買い物をすれば、3カ月で60ポイントになってランクアップする。

 2つ星になるとdポイント獲得が1%から1.5%に増加する。通常なら5000円で50ポイントがたまる加盟店の場合、75ポイントが付与されることになる。

 ランクの低いライトユーザーが多いとのことで、ランクアップ必要ポイントを引き下げることで、早期にお得なポイントプログラムと認識してもらい、利用頻度を高めてもらうことが狙いだ。

●d払いを併用することで最大4%還元に 「ahamoポイ活オプション」との合わせ技も

 もう1つの改定は、コード決済のd払いとの連携だ。これまではdポイント単独で最大2.5%(5つ星の場合)という還元になっていたが、この還元率を2%に下げる変わりに、d払いと併用することで最大2%の還元を設定。これによって最大4%の還元となり、これまでより還元率が高くなる。

 5000円の買い物の場合、これまでの5つ星(2.5%)で125ポイントたまる店では、新たにd払いとの併用で100ポイント+100ポイントとなって200ポイントがたまる計算なので、よりたまりやすくなる。

 2つ星にはこうしたd払い併用の特典はなく、3つ星で1.1%、4つ星で1.5%、5つ星で2.0%の特典となる。さらにキャンペーンを併用することで、新料金プランの「ahamoポイ活オプション」ユーザーであれば最大10%の還元が付与されるため、ファミリーマートであれば最大13.5%、モスバーガーであれば最大14.0%の還元になるなど、組み合わせ次第でさらなる還元が実現できる。

●携帯、ドコモ光、ドコモでんきへのポイント充当で最大5%を追加充当

 さらに、dポイントをドコモの利用料金に充当する際にポイントを加算する「料金充当特典」を追加。携帯・ドコモ光・ドコモでんき・サービス利用料でdポイントを使う場合、3つ星で1%、4つ星で2%、5つ星で5%を追加して充当できる。5つ星で5000ポイントを充当しようとしたら、5%の250ポイントが追加されるのでよりお得になる。ちなみにこの場合、当月に5000ポイントが充当で消費され、特典分の250ポイントは翌月の料金に自動で充当される。

 なお、この料金充当特典はまずは期間限定で提供し、利用者の声を聞いてさらなる展開を検討していくという。現時点で終了時期は決まっていない。

●dポイントのヘビーユーザーの多くがd払いを併用している

 こうした改定に伴い、「長期利用ありがとう特典」は廃止になる。もともと、ギガホ、ギガライト向けの特典でプランが限られる他、契約者の誕生月のみに特典が付与されることや3年以上の契約が必要という不満の声があったという。そのため、この特典を廃止していつでも利用できるd払い特典などの改定を行ったという。

 今回の改定では、「dポイントのヘビーユーザー」にとっては還元率が下がるが、こうしたユーザーの多くはd払いを併用しているとのことで、トータルでは還元率が上がると、同社スマートライフカンパニーコンシューママーケティング部長の伊藤邦宏氏は指摘する。

 結果として、付与されるdポイントの総数では増える見込みとのことで、多くはよりメリットが感じられるという判断だ。伊藤氏は、「d払いとセットで利用することで今までよりお得を体感できる。ahamoポイ活オプションを含めて併用すれば、今までにないような還元が受けられる」とアピールする。

 VポイントとTポイントが統合され、ローソンと提携したKDDIがPonta経済圏の拡大を目指す方針を示すなど、共通ポイントの競争が激化する中、多くのユーザーは複数のポイントを併用しているため、まずは「ライトユーザーで一番使われるポイント」を目指し、そこからのアップセルを狙う考えだ。