うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、3月31日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!

●Intelのファウンドリ事業が2023年に1兆円を超す営業損失を計上

 米Intelは4月2日(現地時間)、ファウンドリ(半導体受託製造)事業における2023年の営業損失が1兆円を超えることを明らかにした。

 同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書によると、2023年のファウンドリ事業の収益は189億1000万ドル(約2兆8529億円)、営業損失は69億5500万ドル(約1兆499億円)。2022年のファウンドリ事業の収益は274億9100万ドル、営業損失が51億6900万ドルであり、2023年には減収減益となっている。同日開催した投資家向けのウェビナーにおいて、CEOのパット・ゲルシンガー氏は2024年のファウンドリ事業は最悪の営業損失を計上する見通しで、2027年に損益分岐点を迎えると述べた。

 Intelは、2021年に新しいビジネスモデル「IDM 2.0」を発表している。また、2030年までに世界第2位のファウンドリになることを目標として掲げている。

●総合ベンチマークソフト「CrystalMark Retro」公開 「水晶碧」版も

 CrystalDiskMarkやCrystalDiskInfoなどで知られるhiyohiyo(ひよひよ)氏は3月31日、統合ベンチマークソフト「CrystalMark Retro」を公開した。CrystalDiskInfoから16年ぶりの新作で、前バージョンのCrystalMark 2004からちょうど20年後のリリースとなった。

 CrystalMark Retro はCPU、ディスク(ストレージ)、2Dグラフィックス(GDI)、3Dグラフィックス(OpenGL)の性能をワンクリックで測定できるベンチマークソフトだ。コードの多くは2004年にリリースされたCrystalMark 2004をベースにブラッシュアップしたものだという。対象はWindows XP/Windows Server 2003以降で、x86/x64/Arm64に対応している。

 Crystalシリーズアプリの応援キャラクター「水晶碧」(すいしょうあおい)のテーマを付属した「Aoi Edition」もリリースされている。ベンチマーク終了後に結果をボイスで知らせてくれるので、PCの音量には注意したい。

●Googleが変体仮名フォント「Noto Hentaigana」をリリース

 米Googleは4月2日、Androidにおける日本語環境の改善の一環として、Noto Serif変体仮名フォント「Noto Serif Hentaigana」をリリースしたことを明らかにした。実際のリリースは2月27日に行われていたようだ。

 「変体仮名」は平仮名の異体字だ。現在ではあまり使われていないが、そば屋の看板などでは目にすることがある。人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)によると、国立国語研究所のNINJAL変体仮名フォントなどを参考に、CODHやさまざまな専門家が協力して開発したという。

 Unicode(ユニコード)に登録されている変体仮名(へんたいがな)286文字(U+1B001〜U+1B11E)をサポートしており、7種類のウェイトを提供している。Androidオープンソースプロジェクト(AOSP)にも追加されている。

 ライセンスはSIL OPEN FONT LICENSE Version 1.1(OFL-1.1)で、個人/商用にかかわらず無償で利用できる。

●Googleがファクトチェックに使える「このページ/画像の詳細」が日本語対応

 米Googleは4月2日(現地時間)、International Fact-Checking Dayに合わせて「画像の詳細」および「このページの詳細」の2つの機能について、日本語を含む40カ国語で利用できるようになったと発表した。

 「このページの詳細」は、Googleの検索結果でWebサイトの横にある縦の3点リーダーをクリックと表示される「この結果について」から表示できるもの。可能な場合はWikipediaでのWebサイトの説明や、Web上の他のユーザーがそのサイトについて述べたことなど、そのWebサイトに関する情報が表示される。これにより。Webサイトにアクセスする前に、そのサイトが信用できるかどうかを判断できるようになる。

 「この画像について」も同様で、画像検索の結果から画像の横にある縦の3点リーダーをクリックすることで、その画像や類似の画像が最初に検索されたのはいつなのか、ニュースやファクトチェックサイトなど他の情報源がその画像について何と言っているのかを確認できる。また、利用可能な場合には、画像のメタデータも表示可能だ。

 この他、ファクトチェック関連の機能としては、検索結果について独立したファクトチェック機関が既にファクトチェックを行っている場合には、そのプレビューが表示されるようになる。

 また、Fact Check Explorerに画像をアップロードまたはURLをコピーすると、その画像がファクトチェックされているかどうかを確認できるようになった。APIも提供されており、自身のWebサイトで画像に関するファクトチェックを表示することもできる。

●無料でも最長3分の楽曲を生成する「Stable Audio 2.0」公開

 英Stable AIは4月3日(現地時間)、テキストから作曲できる生成AI「Stable Audio 2.0」をリリースした。Stable AudioのWebサイトから無料で利用可能(サインインは必要)で、間もなくAPIでも提供される。

 Stable Audioは、同社が2023年9月にリリースした音楽生成AIだ。これまで44.1kHzで最長45秒の楽曲しか生成できなかったが、Stable Audio 2.0ではイントロ、展開、アウトロ、ステレオのサウンドエフェクトを含む構造化された構成を備えた最大3分間のフルトラックを生成可能になった。

 アップロードしたオーディオファイルから音楽を生成できるAudio-to-Audioにも対応している。生成された音楽やアップロードした音楽を元に、特定のスタイルやトーンに合わせられる。

 なお、クリエイターの著作権を保護するために、オーディオのアップロードについてはAudible Magicと提携。同社のコンテンツ認識(ACR)テクノロジーを利用してリアルタイムのコンテンツマッチングを強化しているという。

●「Microsoft 365 Basic」に追加のセキュリティ機能を実装

 米Microsoftは3月28日(現地時間)、「Microsoft 365 Basic」で追加のセキュリティ機能が利用可能になったと発表した。追加されたのは、ランサムウェアの検出と回復、拡張された「Personal Vault」、パスワードで保護された有効期限付きの共有リンク、オフラインファイルとフォルダーだ。

 Microsoft 365 Basicは、月額260円(年額2440円)の個人向けのサブスクリプションである。Officeアプリは利用できないが、クラウドストレージとしてOneDrive 100GBと広告のないOutlook、高度なメールセキュリティを使用できる。

 今回追加されたのはOneDrive向けのセキュリティ機能だ。OneDrive上で異常なファイル変更や暗号化アクションなどランサムウェア活動の兆候がないかアカウントを監視する他、2要素認証を使い重要なファイルなどを自分だけがアクセスできるようにする、Personal Vaultのファイル制限を緩和している。

 Microsoft 365 Basicでは、従来は3つのファイルしか保管できなかったが、この制限がなくなり、ストレージ制限まで無制限に保存できるようになった。

 この他、共有時のパスワードや有効期限期限の設定、モバイル上でのオフラインフォルダーとファイルが利用可能になっている。