10日に放送されたNHK連続テレビ小説「虎に翼」の第30話に映りこんだ、帝都新聞記者、竹中次郎(高橋努)が書いた記事が視聴者の間で話題となっている。日本で初の女性弁護士となったヒロイン猪爪寅子(伊藤沙莉)の思いがつづられた記事で、見出しは「初の女弁護士誕生へ・猪爪寅子さん 『男女関係ない社会を目指す』」。寅子の顔写真付きで、15字×19行という短い内容だが、最後には竹中の熱い期待も込められている。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。この日は、第6週「女の一念、岩をも通す?」(第26〜30話)の最終日で、寅子たちの偉業達成を祝し、母校の明律大が祝賀会を開催した。その場で寅子は、法改正されても女性が不利なままの現状に怒りをにじませ、困っている人を男女関係なく救うため「よき弁護士になるよう尽力します」と訴えた。寅子の「演説」はその場に居合わせた記者たちをしらけさせたが、彼女の言葉を唯一、記事化したのが竹中だった。

実はこの記事は、第1話(4月1日放送)の冒頭で、寅子が川岸で眺めていたもの。この日の放送後、公式X(旧ツイッター)が更新され、「記者会見での寅子の演説は、帝都新聞の竹中だけが記事にしました。ところでこの新聞記事、どこかで見覚えありませんか…? 実は…第1回放送の冒頭、寅子が眺めていたスクラップの1つです」と種明かしした。この投稿に驚いた朝ドラファンは多く、SNSには「あれはパパのスクラップだったんだ」「初回とつながっているなんて感動する」「まさかの伏線回収」などのポストがズラリ。実際に記事を読んだという視聴者からは、「すばらしい記事」「一気に株が上がった」「活躍に期待したいって!」と竹中を絶賛する声も寄せられた。

以下、「帝都新聞」記事

初の女弁護士誕生へ・猪爪寅子さん

「男女関係ない社会を目指す」

今年の高等試験司法科にて女性で見事に登龍門をと突破した事は既報の通りであるが、昨日明律大学において、合格を祝して祝賀会が催され、学長や女子部創設に尽力した穂高教授など多くの関係者が集つた。祝賀会の注目は合格者の一人猪爪寅子さんに集まつた。猪爪さんは記者の質問に対し、怒りも交へて抱負を述べた。

「この場に私が立つてゐるのは私が死ぬほど努力を重ねたから。しかし高等試験に合格したたけで、女性の中で一番とは口が裂けても言えない。法改正がなされても、女は不利なままである。私は男性か女性かでふるいにかけれれない社会を目指し、弁護士の立場から尽力したい」彼女たちの今後の活躍を期待したい。