俳優の赤楚衛二が主演を務め、錦戸亮と共演する話題の連続ドラマ「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(フジテレビ系、木曜後10・0)に出演中の芳根京子。主人公の天堂海斗役を演じる赤楚とは「表参道高校合唱部!」(TBS系、2015年)以来、約9年ぶりの再共演となり、錦戸とは今回がドラマ初共演になった。目まぐるしく人間関係が変化するジェットコースターのような展開が話題の連ドラで、芳根は、海斗と大友郁弥(錦戸)との間で揺れ動く看護師、朝比奈陽月役を好演。物語のヒロインとして存在感を示している。撮影が順調に進むなか、陽月への役作りに励む芳根を直撃。赤楚&錦戸との共演や、本作へかける意気込みなどを聞いた。その模様を前後編にわけて紹介する。

――現場の雰囲気はいかがでしょうか?

「物語が重たく、つらいシーンが多いこともあり、現場はみんなで明るくしようという思いがあります。作品のテイストからは考えられない、笑いの絶えない、活気のある現場だと思います。監督や赤楚さん、チームのみんなが明るく、底から上がっている感覚がありますね」

――赤楚さんとは9年ぶりの共演です

「9年前は、私も初めてのドラマ主演で、デビューしてから3年目だったこともあり、現場のことを右も左も分からない状況でした。必死だったので、一番覚えているのは歌練習ぐらいで、クラスのシーンの撮影などはあまり覚えていません(笑)。もちろん、赤楚さんのことは覚えていますが、私も人見知りだったので、たぶん当時はお話をしていなかったです。そのあと何度かスタジオが隣の際などにお会いさせていただきましたが、きちんとお話しさせていただいたのは、今回が初めてですね」

――撮影外ではコミュニケーションは取られていますか?

「みんなで話している時間が多いですね。赤楚さんはサウナが好きだと聞いて、私も好きなので、『どこに行っているんですか?』とか、『何度ぐらいですか』とか(笑)。サウナの話や、ご飯の話など、他愛のない会話をしています。(陽月の)妹役の(白山)乃愛ちゃんもすごくかわいいので、3人で一緒に話しています。物語が重たく、大変なシーンになると、みなさんそれぞれの時間の使い方をして過ごされていますが、余裕がある日は常にお話しています。メリハリのある現場で、ありがたいです」

――ドラマ初共演となる錦戸さんの印象はいかがでしょうか?

「バラエティーで何度かお会いしていて、初めてお会いしたのが私が二十歳ぐらいの時でした。それを覚えてくださっていて、初日に『ご無沙汰しております』とあいさつしたら、『(当時のことを)覚えているよ!』と言ってくださったのがうれしかったです(笑)。お芝居の現場でご一緒させていただくのは初めてで、海斗と郁弥というキャラクターの違う2人の男性が、陽月の目の前にいることが、ぜいたくな立ち位置にいるなと感じています」

――演じる陽月は、1話から恋人の海斗が行方不明になってしまいます。もし芳根さんがそういった状況になったら、どういった心境になりますか?

「自分の気持ちに整理がつくまでは、連絡しちゃいますよね。周りの人に聞くなり、情報を集めようとすると思います。でもどこかで区切りをつけないといけないとも思うので、自分にできることをやってから、諦められる環境を作ると思います」

――行方不明の恋人が、数カ月たって戻ってきたらどうしますか?

「どうしましょう、そういった状況になったことないので(笑)。でもその時の状況によりますよね。劇中にある『今更なんなの!?』というセリフにすべてが詰まっているんだと思います。すごく葛藤があり、お別れを決めて次に進んでいたと思うので、陽月の気持ちはくみ取りやすかったです」

――芳根さんから見て、海斗と郁弥のどういったところが魅力的だと思いますか?

「海斗と一緒にいるとき、本当にありのままでいられるんだろうなと、安心できるんだろうなと思います。海斗と一緒にいる自分のことを好きでいられるというか、素直な海斗だからこそ、こっちも素直にいられるのかなと、お芝居をしていて感じました。

大友先生はとっても大人で、陽月を支えてくれている存在。陽月もすごく大変だから、誰かに寄りかかりたくなることもあり、ドシッと構えている大友先生に、甘えたくなるんだと思います。でも本当にそれでいいのかという葛藤もあり、演じていて苦しく感じることもありました」

――本作の2話以降の見どころを教えてください。

「次の理事長のイスに誰が座るのかという話に焦点が当たっていますが、それだけで終わりではない、ここから乗り越えないといけない壁が、陽月も、海斗も、大友先生もめちゃくちゃ多いんです。『ここで終わりじゃないんだ』と、何章も続いていく感じがして、私も台本を読みながら、区切りながら考えるようにしています。先のことを考えると、自分がキャパオーバーしちゃうぐらい情報量が多く、勢いもスピード感もあり、毎話飽きさせない作品になっていると思います。1話完結じゃない、連ドラならではの面白さが詰まっていると思います」(つづく)

《芳根京子 プロフィール》

1997年2月28日生まれ。東京都出身。13年に「ラスト♡シンデレラ」で女優デビューし、朝ドラ「花子とアン」(14年、NHK)でヒロインの親友の蓮子(仲間由紀恵)の娘役を演じる。キャストオーディションで1000人以上の参加者の中から選ばれ、「表参道高校合唱部!」(15年、TBS)でドラマ初主演、朝ドラ「べっぴんさん」(16年)でヒロイン坂東すみれ役を務める。18年公開の映画「累ーかさねー」「散り椿」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。