NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第15話が19日、放送され、「男装の女学生」山田よね（土居志央梨）が同期生たちに歩み寄る姿に、視聴者から大きな反響が寄せられた。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。女優、伊藤沙莉が主人公の猪爪寅子役を演じている。この日は第3週「女は三界に家なし？」（第11〜15話）の最終日で、寅子たちが学園祭で演じた法廷劇「毒饅頭事件」のもとになった事件を検証するなかで、寅子とその同期生たちが、それぞれが抱える「辛さ」をぶつけあった。

常に男装し、同期生の中でも人一倍やる気があるよね。誰とも群れたがらず、のんきに見える寅子たちにこれまでも強く当たってきた。この日も寅子の義姉、花江（森田望智）が吐いた弱音をキッカケに怒りをぶちまけたが、寅子は、むしろ弱音は吐くべきで、解決はできないが寄り添うことができると反論した。この言葉を受け、同期生3人がそれぞれの不満を吐露。しかしよねだけは最後まで弱音を吐かなかった。

帰り際、そんなよねに寅子は「よねさんはそのまま嫌な感じでいいから」と語りかけ、「思ったの。怒り続けることも弱音を吐くのと同じくらい大事だって。だから私たちの前では好きなだけ嫌な感じでいて」と笑った。よねは、思わぬ言葉に声が出ず、少し間をあけて「あほか」と言い残して、足早に去っていった。

翌日、教室で寅子たちが会話を楽しんでいると、よねが入ってきて、「失礼」と寅子に声をかけながら袴の裾をまくり上げて「三陰交」というツボを押した。よねは、月経が重い寅子のため、働いているカフェーの女給たちに教えてもらったと説明し「多少は楽になるだろ」と伝えた。寅子はうれしさのあまり、同期生たちに「皆さん！　お月のものの痛みに効くツボですって！」と“宣伝”。すると「よねさん、もう一度教えて」と同期生がよねの周りに集まり、よねは「くるぶしの指４本分のすねの骨の内側…」とツボの場所を教えながら、恥ずかしそうな顔をみせた。

これまで常に寅子らに突っかかってきたよねの変化に視聴者がＸ（旧ツイッター）で「よね陥落」「ついにデレたわ」「頑なだった心が解かれた」「弱音を聞いてくれる仲間ができた」「よねさんが歩み寄った」などと反応。また、女給たちに聞くよねの姿を想像しながら、「きっと女給のお姉さんも友達出来たと知ってうれしかったはず」「きっとお姉さんに聞くの勇気いったはず」と書き込む視聴者もいた。