3月5日、J-オイルミルズは家庭用オリーブオイル24品目を5月1日納品分から値上げすることを発表した。出荷価格を家庭用で32〜66%、業務用で50〜80%引き上げるという。オリーブオイルに関しては、すでに日清オイリオグループ(家庭用23〜64%、業務用60〜80%)、昭和産業(家庭用および業務用1kgあたり950円以上)も5月1日納入分からの値上げを発表しており、家計や外食産業に大きな影響を与えそうだ。

「原因としては、オリーブの主要産地であるスペインなど地中海沿岸部が干ばつに見舞われたことがあります。記録的な減産が続いていることで、世界規模で需給がひっ迫しています。それに加え海上運賃のコスト増もあり、各社値上げに踏み切らざるを得ない状況のようです」(全国紙記者)

健康志向の高まりもあり、オリーブオイルの国内消費量は年々増加しており、いまや多くの家庭で常備されている調味料だ。この傾向は海外でも顕著で、世界中で需要が拡大している。

「オリーブオイルは健康効果の高いオレイン酸やリノール酸などの脂肪酸やビタミン類を豊富に含んでいます。悪玉コレステロールの減少による動脈硬化予防のほか、美肌づくりにも効果があるといわれています」(女性誌記者)

オリーブオイル高騰の影響はすでに出始めているようだ。最近ではイタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」で、備え付けのオリーブオイルが複数の店舗で注文による提供に変更され、ユーザーからショックの声があがった。

いまや食卓に欠かせない調味料となったオリーブオイルが家庭用で6割、業務用では8割と大幅な値上がりが明らかになり、ネット上では動揺する声が多く上がっている。

《アヒージョが高級品になってしまう》 《オリーブオイル買いだめしとこかなぁ》 《イタリア料理店(に限らず)はどうなっちゃうのこれ》 《オリーブオイルの値上げ率エグすぎて笑う》 《気軽に もこみちさんレベルの追いオリーブオイルできなくなっちゃう》

オリーブオイル以外でも値上げラッシュは続いており、4月には加工食品を中心に6カ月ぶりに3000品目を超える値上げが実施される見通し(帝国データバンク調べ)。春になっても家計への逆風は収まりそうもない。