広島県福山市の金属工場で、有害物質である「六価クロム」の槽に猫が転落した事件。猫はそのまま逃げたといい、同市は「異常の見られる猫を発見したら絶対に触らないで」と呼びかけている。

「金属メッキを施すために同工場で使用されていた六価クロムは、触れたり吸い込んだりすると皮膚や粘膜に炎症が生じる可能性があります。11日午前7時ごろに工場内で猫と思われる足跡が発見され、10日午後9時半ごろに足跡を残して走り去っていく猫の姿が監視カメラ映像に収められていたそうです。猫は六価クロムの槽に落ちた後、這い上がって逃げたと見られています」(社会部記者)

この事件がニュースサイトで報じられると、コメント欄に2000件近いコメントが。SNSでも様々な意見が上がるなど、世間の高い関心を集めた。《管理体制が緩すぎないか》《管理体制どうなってるの?》との声が上がるいっぽうで、特に目立ったのが猫を心配する声だ。

《猫が可哀想…》 《猫が心配です そんな危険な場所に猫がはいれる状況をつくらないでください》 《猫ちゃん。。 苦しんでなければいいのだけれど。。。》

報道から一夜明けた12日、本誌は現在の状況などを同市の環境保全課に聞いた(以下、カッコ内は担当者)。

担当者は原因について、「工場内に猫が勝手に入ってしまい、金属メッキ槽の上が暖かいから乗ってしまったんだと思います。メッキ槽の上には通常厚いシートが被せてあるのですが、端の方に乗ってしまいそのままずり落ちてしまったのではないかと言われています」と説明。

現在の状況は、「住民への被害報告は特になく、猫の目撃情報も特に入っておりません」とのこと(12日13時現在)。なお市役所ではパトロールを行っているといい、担当者は「ゴミの収集に合わせて町内を巡回し、その際にそういった猫がいないかを見て回っております」と語った。

またネットやSNSで「猫が可哀相」との声が上がっているように、同市にも苦情の電話が10件〜20件ほど入っているという。担当者は「ご自身でも猫を飼われている方が多いようで、『事業者に対してこうした事故が起こらないような指導や対策を徹底してください』という風な意見が入っています」と明かした。