2023年大晦日、兵庫県新温泉町で話題のアイドルグループ「ももいろクロおばあZ」が、横浜アリーナ(神奈川県)で開催された「第7回ももいろ歌合戦」に出演。有名アーティストらが名を連ねるビッグイベントで、堂々のパフォーマンスを披露した。

 このたび、同グループのゆきちゃん(ピンク)とひでこちゃん(黄色)が、劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に出演。夢の舞台を振り返った。

「いま、僕が但馬で一番会いたかった人。最初の新聞記事を見たときから『すごいな!』と思っていました」と、パーソナリティーの平田さんも興奮を隠せない様子。旬のアイドルグループ「ももいろクロおばあZ」はももクロを愛する平均年齢61歳のアイドルグループで、現在、兵庫県新温泉町で活動している。

 2022年、香美町で開催されたももいろクローバーZのライブに衝撃を受けたというゆきちゃん。「見ているだけじゃ物足りない。私もももクロになりたい!」という衝動に駆られ、老年施設などでダンスを披露していたメンバーに同グループの結成を呼びかけた。

 当初、「ももクロの名前は知っていたけれど、音楽にはついていけそうにない……」という不安を抱えていたメンバーだったが、ダンスは踊りやすいようにアレンジを加え、録画を観て練習を重ねていくうちに、ももクロにハマっていったという。同年11月には、「新温泉町文化祭」で舞台デビューを果たした。

 結成当初、メンバーは4人だったが、その後1人が加入したことで初期のももクロと同じ5人編成に。69歳で最年長のれいちゃん(赤)はメンバーの衣装をすべて手がけており、先輩から順に好きな色をチョイスする形で、えりこちゃん(緑)、さとみちゃん(紫)、ひでこちゃん(黄)、ゆきちゃん(ピンク)というメンバーカラーが決まった。

 1年に1曲のペースでレパートリーを増やし、2023年9月に行われた「但馬牛まつり」のステージで懸命に踊る姿がSNS上で拡散。地元メディアでもとりあげられるようになり、それが本家の目にとまることとなる。「ももいろ歌合戦」へのオファーは、メンバーにとってまさにサプライズだった。

 本家との共演を、2人は次のように振り返った。

「本番で(サイリウムの)明かりがパアッと目に入ったとき、興奮して。ももクロちゃんと同じ景色を見られたことが感激でした」(ゆきちゃん)

「(ももクロが)本当にかわいい……。スキンシップもいっぱいしてくれて、本当にいいのだろうかと思った(笑)」(ひでこちゃん)

 はにかみながらライブを振り返った2人に対し、かつてももクロと仕事をともにしたことがある平田さんもこのように語った。

「あの子たちは、本当にいい子たちでしょう。お高く留まっていなくて誰に対しても同じ態度だから、みんな好きになっちゃう。映画『幕があがる』で彼女たちとご一緒したときには、モノノフ(ももクロのファン)の皆さんが、『女優として花開かせてくださってありがとうございました』と声をかけてくださいました」(平田さん)

 ライブ配信を見ていた家族は、涙ぐんだり、メッセージを送ったりしてくれたそうだが、「いまはもう現実に戻っています(笑)」とのこと。

 今後の予定は未定だが、居組地区敬老会では今まで通り彼女らのパフォーマンスを観ることができそうだ。平田さんも「ぜひ、うち(芸術文化観光専門職大学)の学園祭にも来てください!」とエールを送った。

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年2月1日放送回より