シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』。2月11日の放送では、元プロ野球選手のG.G.佐藤さんがゲスト出演。北京五輪での経験や恩師・野村克也さんからの言葉、リスナーに伝えたいメッセージを明かした。

 桐蔭学園高校、法政大学から、アメリカのマイナーリーグでのプレーを経て、2003年のドラフト会議で西武から7位指名を受け、NPB入りした佐藤さん。2008年7月に発表されたオールスターファン投票ではセ・パ両リーグ通じての最高得票を獲得。その直後、北京五輪の日本代表に追加招集され、本大会に出場した経歴を持つ。2011年シーズン後に戦力外となった後、一度はイタリアなどでプレーも、2013年からは千葉ロッテで再びNPBに復帰。2014年にプロの世界に別れを告げ、現在は野球解説を務めるほか、タレントとしても活躍している。NPB時代の通算成績は587試合出場、打率.276、88本塁打、270打点、507安打。

 番組冒頭、「G.G.」というイニシャルの由来について川嶋から尋ねられると、「顔がじじくさいから」と即答した、佐藤さん。中学生の頃、いわゆる老け顔で細身だったことからつけられたあだ名「じじい」が由来なのだという。

 プロの世界から離れた後、父親の経営する会社に属していた時期もあったが、「本当にやりたいこと」を追求するため昨年8月に独立。現在は、「自分自身の存在やメッセージによって希望を与えたり、背中を押してあげるような活動をしていきたい」との思いから、野球指導はもちろん、講演会にも力を入れている。

 かつて、父親から「お前は絶対にプロ野球選手になれる! この世に生まれた最高傑作だ!」と言われて育った、佐藤さん。自身はプロ野球選手になれるとは思っていなかったものの、父親の「絶対にあきらめるな!」という励ましと、中学時代に在籍していた港東ムースのオーナー・野村沙知代さんの夫で、元プロ野球監督の野村克也氏から寄せられた「念ずれば花開く」という言葉があったことで、プロ野球選手の夢を叶えられたという。

「いろんな人の良い影響をもらって、今がある」と語る、佐藤さん。これまでの経験から、子どもたちに野球を教える際には、人格形成という点を意識していることを明かした。

 また、佐藤さんが「人生を振り返って、最もつらかった瞬間」にあげたのは、北京五輪での韓国との準決勝と、アメリカとの3位決定戦。その両方で起こした落球だった。

 当時の経験は「自分を許せなかった出来事」だったそうだが、14年後に再会した野村克也氏にかけられた「人の記憶に残っているのは誰だ、星野監督とお前だけだ。人の記憶に残ることがどれだけ素晴らしいことかわかるか。お前の勝ちだ。その経験をいかして生きていきなさい」という言葉をきっかけに、人生が好転しはじめたという。

 今後の目標について尋ねられると、「みんなに希望を与えられるような人間になりたい」とコメント。さらに、「誰もが何度もチャレンジができて、誹謗中傷のない世界をつくりたい」と胸の内を明かした。そして、 現在、悩みを抱えている人に向けて、このようにメッセージを送った。

「ポジティブな思考からポジティブな選択をすれば、必ずポジティブな未来がやってくる。みなさんは可能性のかたまりだと思うので、『成功できる!』と思って自分自身のふたを上げてほしい。『あなたにはできる』『あなたには価値がある』というメッセージを伝えていきたい」(G.G.佐藤さん)

※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2024年2月11日放送回より