神戸観光の代表的なエリア「元町」。大正・昭和初期のレトロなビルが立ち並ぶ旧居留地や、150年以上の歴史を誇る元町商店街、そして日本三大中華街の一つである南京町も人気の高いスポットの一つです。

 そんな南京町で、観光拠点の役割を果たしているのがゲストハウスです。海外からの旅行客を多く受け入れている「神戸なでしこ屋」オーナーの池端浩美さんに、ゲストハウスについての話や、元町・南京町エリアのトレンドを聞きました。

 神戸なでしこ屋は、JR元町駅東口から徒歩約5分。南京町の大通りから1本裏路地に入った場所に位置するこのゲストハウスは、池端さんが世界1周旅行した経験をいかして、2019年にオープンしました。“船のような宿泊施設”をコンセプトにしており、いまでは、世界中から旅行者たちが集う、出会いの場になっています。

 相部屋ならではの楽しみを味わってもらおうと、書道体験会の開催や、冬には屋上へのコタツの設置など、交流のきっかけづくりも行っています。昼間と打って変わって静かになる夜の南京町の情緒も味わえるとのこと。昨春には新神戸のホテルの建物を引き継ぎ、新たなゲストハウスもスタートさせました。

 そんな、神戸・元町を知り尽くした池端さん。おすすめするのは、定番から意外な店までさまざまです。

■エスト・ローヤル

 看板商品「シュー・ア・ラ・クレーム」が人気。フランスで修業を積んだオーナーが1988年に南京町で開いた洋菓子店で、現在は元町商店街から少し南に入った場所に店を構えています。

 カスタードクリームと生クリームが入った、パンダの見た目をした「パンダシュー」 も大人気だそう。池端さんは、「食べ歩きに手土産にもいい。私は『お疲れ様』の気持ちを込めて渡すことが多い」と話しました。

■天仁茗茶

 池端さんが「スイーツといえばお茶……というイメージがあると思うので」と紹介したのは、220種以上の中国茶を扱う烏龍茶専門店「天仁茗茶(テンジンメイシャ)」。

 台湾茶を中心に扱う店内には、缶入りの茶葉が所せましと並べられており、「茶藝師(ちゃげいし)」と呼ばれる中国の国家資格を持つお茶の専門家が、好みのお茶を探すのを手伝ってくれます。なかには、100グラム約1万円もする高級な品も。系列店のカフェでは、実際に高級烏龍茶を飲むこともできます。

■田舎そば みゆき

 じつは南京町には、中華以外のお店も多くあります。その一つが、創業70年近い老舗のそば屋「田舎そば みゆき」です。

 出汁が味わい深く、池端さんは「二日酔いのときは、必ずみゆきさんに行っておいしい出汁に癒される」そう。提供が早いのも特長で、注文後3分ほどという早さは忙しいサラリーマンにもおすすめだとか。

■神戸MILK

 硬めのプルプルの杏仁豆腐に、なめらかプリンの製法を合わせることで実現した“進化系中華スイーツ”「生杏仁プリン」が看板商品の店です。季節限定の味など種類も豊富です。

 番組内では、女性お笑いコンビ「はるかぜに告ぐ」のとんずさんが生杏仁プリンを試食。「神戸のプリンらしくめっちゃトロトロ」と独特の食感に感激した様子で、「でもくどくなくて、軽いけど甘くておいしい。さっぱりさがまた良くて『これが正解だ』という感じ」と絶賛していました。

☆☆☆☆☆

「中華料理以外にも、たくさんのおいしいお店がいろいろあって最高です。いろいろなところに行ってみてほしい」と目を輝かせる池端さんにとって、南京町とは、アミューズメントパークのような場所なのだそう。雑貨やお茶など、さまざまな店が路地にそろっているのが、アミューズメントパークと感じるゆえんなのだとか。

 一歩足を踏み入れると、そこはもう日本ではない異世界。店員さんたちも元気だといい、「歩いていると、めっちゃ声をかけられると思いますが、そういう日常を離れた感じが新鮮です」と池端さんは笑顔で語りました。

※ラジオ関西『Clip 火曜日』2024年4月2日放送回より