これから暖かくなるにつれて、ダイエットが気になる時期。

 ネットで検索するとさまざまなダイエット情報が出てきますが、玉石混交で、中には正しくないものやエビデンスがあいまいなものも含まれているので注意が必要です。

 ここでは国内最大級のAI食事管理アプリ『あすけん』の管理栄養士である道江美貴子さんに、ダイエットにまつわる「よくある誤解」と、正しい知識について教えてもらいました。

 『あすけん公式 50代からの食べやせ術』(本記事は『あすけん公式 50代からの食べやせ術』(道江美貴子著)より抜粋・再構成しています)

「水を飲む」=「やせる」とは言いきれない

 ※画像はイメージです(以下同)「水をたくさん飲むとダイエットに効果がある」とよく言われていますが、エビデンスに乏しく、今の段階で「水を飲む」=「やせる」と言いきるのは難しそうです。

 1日に必要な水分の量について日本では明確な基準は定められていません。

 一般的な目安として、アメリカでは、成人男性には約3.7リットル、成人女性には約2.7リットルの水分を毎日摂取することを推奨しています。

 これは、飲料水として摂取する水だけではなく、料理や食べ物の中に入っている水分も含まれます。

 日本人の場合は、水分含量が多いお米や汁物、スープを飲む機会が多いので、1日1リットル程度は料理から摂っていると仮定すると、水分として男性で2.7リットル、女性で1.7リットル程度を目安にするとよさそうです。

 脱水症状を予防するためにも、「今日、どれだけ水分を摂れているのか」を、少し気にしてみるといいでしょう。

 また、必要な水分量は、運動習慣や気候などの環境によっても左右されます。

米粉は小麦粉と比べて低カロリーなわけではない

あすけん公式 50代からの食べやせ術 米粉というと、なんとなくヘルシーな印象がありますよね。

“米粉パン”“米粉パスタ”と書いてあると、カロリーも低いのでは?と思う人もいるかもしれません。

 しかし米粉とは米を粉にしたもの。カロリー自体は小麦粉と比べて特別に低いわけではありませんので、「ダイエットにいい!」と、たくさん食べすぎては本末転倒です。

 ダイエット中も「パンを食べたい」という場合には、米粉パンや普通の小麦粉パンよりも、ブランパンと呼ばれるような、小麦ブラン(小麦ふすま)を使ったパンもおすすめです。

 ブランパンは食物繊維が豊富で糖質が少ないのが特徴です。そこにチーズを挟むと、ブランパンの食物繊維に加えて、カルシウムも摂ることができます。

 米粉は小麦粉とはまた違った風味や食感が楽しめますし、グルテンアレルギーなど、体質的に小麦粉が合わない方にとっても安全な食材なので、上手に活用してくださいね。

ファスティングは体質によって合う・合わないがある

あすけん公式 50代からの食べやせ術 3日〜数日など、決められた期間に酵素などを含んだドリンクだけを飲み続けるファスティング。

 日頃、動き続けている消化機能をリセットさせるダイエット法として広まっています。

 ファスティングを終えたあとには、代謝が上がった、体重が減った、過剰な食欲から解放された、メンタル的にすっきりした、などの感覚を持つ方もいるようです。

 ただしファスティングは、万人におすすめできる方法ではありません。

 人によってはファスティング中に頭痛がした、体が冷えている気がする、という感覚を持つ方もいます。

 もちろん試すこと自体は悪くはありませんが、体力や体調は人それぞれ。

 安全を考えて医師の指導を受けられるところで、計画をたてて実行することをおすすめします。

 ファスティング中に少しでも異変を感じたら、すぐに中止しましょう。

 ダイエットの基本は「しっかり食べて、健康的にやせる」。これをぜひ実践していただけたらと思います!

<文/道江美貴子 構成/女子SPA!編集部>

【道江美貴子】
食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士。女子栄養大学栄養学部卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の企業で健康アドバイザーを務めたのち、2007年、新規事業の立ち上げメンバーとして株式会社askenに参画し、以後『あすけん』の企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、株式会社asken取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。著書に『あすけん公式 結局、これしか作らない! 短いレシピ』(ワニブックス)など。