フェラーリのカルロス・サインツJr.は、2024年のF1開幕戦バーレーンGPで3位を獲得。昨年の課題だったレースペースにも改善が見られたことで、より攻められるクルマになったと安堵している。

 サインツJr.はバーレーンGPで優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に25秒と大きな差をつけられたが、そのチームメイトで2位のセルジオ・ペレスからは2秒差と健闘。3位表彰台を手にした。

 フェルスタッペンとの差についても、タイヤマネジメントの問題と一貫性のないハンドリングに苦しめられた2023年開幕戦と比べれば、その差は半分にまで縮まったと言える。

 2023年のフェラーリのマシンSF-23は、1周のパフォーマンスが高い一方で、レースペースで劣っており、特にタイヤに厳しいサーキットではそれが顕著だった。この点の改善が昨年からフェラーリにとっての課題であったが、2024年は攻めていけるクルマになっていると、サインツJr.は「安心」したという。

「ちょっと安心したよ。以前僕がアタックできたレースはオーストリアGPで、もう13〜14レースも前のことだったから」

 サインツJr.はそう語る。

「そして昨年の残りのレースでは、とにかくマネジメントをしなくちゃならなくて、ミラーを見て自分のペースをコントロールしなくてはならなかった。他の人をオーバーテイクしていく機会なんて、ほとんど無かった」

「僕はレースが大好きだし、オーバーテイクをしかけるのもアグレッシブに攻めるのも大好きだ。そして昨年のクルマでは、シンプルにそれが不可能だった」

「今年はレースでタイヤを気にしすぎなくてもいい、レースで攻められるクルマだといいなと発表会で話していたと思うけど、まさにそれを手に入れられたんだ」

「攻めるレースができたし、レースペースもかなり良くて、3位フィニッシュまで全てがいい感じだったよ。とても楽しかった」

 バーレーンGPでフェルスタッペンとレッドブルの組み合わせが見せた強さは、今年もタイトルを獲得するだろうという予想通りのモノだったと言えるだろう。その一方でバーレーンは、レッドブルが特に強いサーキットでもある。そんなコースでサインツJr.が示したペースを考えれば、他のコースで接近できる可能性に含みを残したものだ。

「バーレーンでのレッドブルのアドバンテージは、非常にハッキリと見えた」とサインツJr.は言う。

「彼らがC3のソフトタイヤをどうやって他よりも長くキープしているのか、オーバーヒートが少ない傾向なのかというのは、興味深い点だ。おそらく、それがあのマシンが予選ではそこまで競争力を発揮せず、バーレーンのようなコースでもレースは非常に優れている理由だと思う」

「今はもっと多くのサンプルが必要だ。でもレッドブルは昨年のように、常にレースでより優れていると予想している」

「シャルル(ルクレール/チームメイト)と僕の過去8戦を思い出して欲しい。僕らは何度かポールポジションやフロントロウを獲得していても、レースではマックスに大きく引き離されて、チェコ(ペレス)も常に僕らを追い抜いていくことができた」

「今年は、その特徴がそれほど大きなモノとして現れないことを願っているし、その点で良い一歩を踏み出せたと思う」