F1オーストラリアGPで、RBの角田裕毅が7位でフィニッシュ。今季熾烈を極める中団争いの中で手にした貴重なポイントに、ピーター・バイエルCEOはチームのモチベーションに繋がると語った。

 RBの角田裕毅は、開幕戦から予選で速さを見せポイント獲得を狙えるポテンシャルがあることを示しつつも、決勝ではそれが結果につながらず、ノーポイントで第3戦オーストラリアGPを迎えた。

 しかし角田はここでも予選で速さを発揮し、今季2度目のQ3進出から8番手を獲得すると、決勝でも安定したレースペースを発揮。上位マシンのリタイアやペナルティも追い風に、7位入賞で貴重な6ポイントを稼いだ。

 今季はレッドブルとフェラーリ、マクラーレン、メルセデス、アストンマーティンの5チームがトップ10を占める状況が続いており、下位5チームは1ポイントを争う熾烈な中団争いを繰り広げている。

 そんな中での角田の6点獲得で、RBは一気にコンストラクターズランキング6番手につけている。

 こうした角田の活躍についてどう思うか聞かれ、バイエルCEOは「ああ、勇気づけられたよ」と語った。

「我々はビッグチームの半分、もしくはそれより小さなチームかもしれない。だがこのチームには大きな感情と情熱がある。一緒に働き、団結する素晴らしいグループなんだ。ここにいるみんなのことを思うと、最高にハッピーだよ」

「ポイントだけでなく、ポジションも重要なんだ。それ(ポイント獲得)はとても難しいことだ。もし5チームが2台ともフィニッシュしていたら、ほぼ不可能だからだ」

「正直なところ、チームにとって素晴らしかった。バーレーンでもジェッダでも、我々はポイント圏内を伺う状況だった。みんな疲れ切っていたし、ファエンツァのファクトリーでは週7日24時間体制でアップグレードや新しいウイングを持ち込むために懸命に働いていた。それが功を奏した」

「チームにとっては大きな安堵であり、アドレナリンと前進するモチベーションを与えてくれた」

 バイエルCEOは、角田のドライビングに加え、チームがオーストラリアに持ち込んだ新しいリヤウイングと、戦略面での改善を好結果の要因に挙げた。

 RBは今回、空力効率の向上とコースに適した空気抵抗レベルを狙ったリヤウイングを持ち込んでいた。

「まずはアップデートがあり、それが要素のひとつになった。ディフェンスするにもアタックするにも十分なスピードがあったからだ。でも、戦略の改善もあった」

「そしてこのコースはグレイニングが少なく、タイヤのデグラデーションも少なかったので、我々に有利だったと思う。それが我々がプッシュを続けるうえで役に立った。そして戦略面では、大きな進歩を遂げた。チームの努力の賜物だ」

 角田、そしてパワーユニットを供給するホンダのホームレースとなる次戦日本GPは重要なレースになるのではないかと聞かれ、バイエルCEOは楽しいレースになるはずだと語った。

「ああ、全くその通りだ。特に今回のパフォーマンスの後では、楽しいレースになるだろう」