RBのダニエル・リカルドは、早ければ5月中にそのシートをリアム・ローソンに奪われるのではないかという報道もある中、そうした噂は気にしていないと語った。

 レッドブルは、昨年リカルドの代役として5レースに出場し印象的なパフォーマンスを見せたローソンではなく、リカルドをRBに残した。リカルドが今季、レッドブル昇格に足るパフォーマンスを見せれば、セルジオ・ペレスのシートを得られる可能性があったはずだ。

 しかし開幕3戦でチームメイトの角田裕毅が2度予選Q3進出を果たし、オーストラリアGPでは7位入賞を果たすのと対照的に、リカルドは苦戦している。母国レースのオーストラリアGPではトラックリミット違反で予選18番手に終わった他、決勝でも13位、16位、12位となっている。

 一部のメディアは、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコがリカルドにあと2レース、実力を証明できなければローソンにシートを奪われるリスクがあると伝えたと報じているが、リカルドはこの憶測を否定している。

「そういうノイズについては、みんなが僕に『メディアでああ言っていた、こう言っていた』って言ってくるんだ。僕は初めて聞いたよ」

「君たち(メディア)には失礼かもしれないけど、僕は今、プロセスや旅の途中にいる感じなんだ。自分のことに集中する必要があるんだ。雑音が入ると、自分の進むべき道から逸れてしまうと思うんだ。僕はネガティブなものを一切近づけていないんだ」

 一方でリカルドは、昨年は調子が良かっただけに、2024年はもっと良いスタートを切れると思っていたと認めた。

「こんな形でシーズンをスタートするとは思っていなかったよ」

「昨年のブダペスト(ニック・デ・フリーズに代わってシートを得た初戦のハンガリーGP)では前日にマシンを走らせたばかりなのに、予選でユウキを上回り本当に強いレースをした。予備知識ゼロでね」

「昨年レースを戦った分もあるし、プレシーズンも充実していたから正直、今年はもっと強力なスタートを切れると思っていた」

「その理由を不思議がっているのは僕だけじゃない。重要なのは、道を逸れないことだ。頭の中が無意味なことでいっぱいではだめだ。正直フィーリングはいいんだ」

「ただ残念なことに、結果のせいで最高の気分じゃない。でも心の奥底では、いい気分だし、興奮しているし、レースを続けたいと思っている。そして、自分自身の中でもう少し何かを見つけることができると確信しているし、マシンからもまだ何かを引き出すことができると信じているよ」

 リカルドは、ポジティブに思える瞬間もあると示唆した。

「励みになりそうな瞬間がいくつかあったのは確かだ」

「僕はチームのことを考えてコメントをしているけど、速く走れているときでも、まだ自分に足りないと思うところがある。でも励みになることはあるし、少しずつでも前進していきたい」

「チームにも言っておきたいのは、これは自信の問題ではないということだ。『ブレーキを踏んだとき、曲がるとき、このクルマは一体どうなるんだ?』という感じではないんだ」

「そうじゃない。単純に、スピードに乗れていないと感じることが多いんだ。だから自分に何ができるかを考えている。チームにもたくさん質問している。だから、それは2つのプロセスなんだ」

 リカルドは、今後のアップデートでマシンがより快適なものになることを期待している。

「さっきも言ったように、僕はチームにたくさんの質問をしている。そして、次の1〜2レースでいくつかのパーツがクルマに搭載されると思う」

「かなり早く状況を変えられると期待している。そしていつの間にか、また素晴らしい走りができるようになるだろう。冗談で言ったように聞こえるだろうけど、僕はそう信じている!」

「僕は信じているんだ。だからうまくいくことを願っている」