メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1オーストラリアGPのレース序盤にパワーユニット(PU)がシャットダウンし、リタイアを余儀なくされたが、motorsport.comの調べによると、このPUのエンジンは再使用が不可能なようだ。

 このPUはすぐにブリックスワースにあるメルセデスのPU開発拠点に空輸され、原因究明のための分析が行なわれた。しかしすぐに明確な原因が見つからず、チームも再使用の可否がはっきり判断できないでいた。

 しかし日本GPを前に、メルセデスはこの問題が末期的なものであることを突き止めた。これにより、PUのうちICE(エンジン)が再使用不可と判断された。

 メルセデスはリタイアの原因がエンジンのボトムエンドの故障によるものだと断定した。これは設計上の問題ではなく、品質プロセスの問題に起因しているという。

 ハミルトンがシーズン序盤に年間で使用可能な4基のエンジンのうち1基を失ったことで、ハミルトンはシーズン後半にPUを追加し、グリッド降格を余儀なくされる可能性が高まった。

 現在ハミルトンとジョージ・ラッセルが使用できるプール内にある他のエンジンも分析されたものの、問題は一過性のものであり、再発の心配はなさそうだ。

 今季マシンに大きな期待を寄せていたメルセデスだが、理想的なシーズン序盤を過ごすことはできていない。

 新車W15は高速コーナーを特に苦手としており、チームはマシンのパフォーマンスをより引き出すためにタイヤの温度管理を改善しようとしている。

 しかし、序盤の数戦は問題を抱えていたにもかかわらず、ハミルトンはメルセデスが状況を好転させることができると楽観的な姿勢を崩さなかった。

「すべては見通しの問題だと思う」と彼は語った。

「僕らにとっては、もちろん、望んでいたようなシーズンスタートではなかったけれど、まだ先は長い」

「アストンや昨年のマクラーレンのように、後方からのスタートだったとしても、このスポーツでは何が起こるかわからない」

「僕たちはできる限り多くのことを学び、データからできる限り多くのことを得て、ポジティブであり続け、ハードワークを続けるしかないと思う。どう転ぶかではなく、どう立ち上がるかが大事なんだ」

「これからも追いかけ、戦い続け、いつかは先頭で戦えるようにしたい」