近い将来F1に参戦するため、準備を進めているアンドレッティ・グローバル。彼らはF1参戦が実現した際にアメリカ人ドライバーを起用するべく、F1直下の若手育成カテゴリーであるFIA F2、FIA F3に参戦しようとしているという。

 2025年からのF1参戦はF1側に却下されてしまったものの、2026年以降の参戦を諦めずに活動を続けているアンドレッティ。彼らはシルバーストンにある新施設への引っ越しも進めており、そこに隣接するさらに大きな建物も所有する計画だという。F1参戦が正式に承認された暁には、F2やF3のプログラムもそこが拠点となるだろう。

 またアンドレッティのフォーミュラEチームに関しても、現在のバンベリーにある拠点から移転する予定で、さらにはWEC(世界耐久選手権)などのスポーツカープログラムもそこに加わる可能性があるようだ。

「これらふたつの施設は、主にF1のためのものだ」

「また、そこにフォーミュラEチームも持ってきて、ここに統合したいと思っている」

 そう語るのは、アンドレッティ・グローバルのマイケル・アンドレッティ。彼はさらにこう続ける。

「我々の目標は、F1チームのためにF2、F3のチームを持つことだ。そしてWECチームも持てればと思っている。つまり我々はここをヨーロッパのレース活動の拠点にしたいんだ。このエリアにはクールな計画がいくつもある」

 そしてマイケル・アンドレッティは、起用するドライバーはアメリカ人に限るわけではないが、ジュニアカテゴリーを通してアメリカ人ドライバーの才能を発掘することが大きな目標であるとした。

「アメリカ人ドライバーだけというわけではないが、アメリカ人ドライバーにとっては良い登竜門だと言える」

「我々は引き続き世界最高の人材を探していくが、アメリカ人ドライバーに公平なチャンスが与えられることになるだろう。というのも、通常アメリカ人がここに来るにあたっては、他と同じ扱いをしてもらえるわけではない」

「我々のチームでは公平に扱われるし、我々にとってはそんな彼らの才能が本物かどうかを見極めることができる」

「例えばどこかの父親が、息子をよく見せるために200日ほどテストをさせたりしている可能性があるからね! ここではしっかりと実力を測ることができる」

 アンドレッティ・グローバルのパートナーであるダン・タウリスは、F2とF3への参戦がF1エントリーの承認待ちであることを認めた。

「そこはF1参戦の最終決定とリンクすることになるだろう」とタウリスは言う。

「しかしドライバー育成というのはマイケルのトレードマークでもあり、常に多くの才能に目を向けてきた。それは彼にとって重要なことなのだ」

「だからどんなシリーズであれ、ドライバーを発掘するような育成シリーズに参戦することになる。我々は今、ダン・ウェルドンの息子(セバスチャン・ウェルドン)にとても期待している。F3チームができる頃には、セバスチャンが参戦する準備が整っているはずだ」

 タウリスはアメリカ人ドライバーを若いうちにヨーロッパに連れていくことは理にかなっていると強調した。

「人によっては『彼らはインディカードライバーを(F1に)乗せたいだけなんだろう』と考える人もいる」

「確かに今すぐにでも一歩踏み出せる才能あふれるインディカードライバーが何人もいる。ただ我々はF3やF2といった育成シリーズに参戦し、アメリカ人の若手ドライバーを育て、彼らが適切な時期にF1シートを獲得できるようなあらゆるチャンスを与えたいと考えている」