メルセデスF1のジュニアドライバーである17歳のアンドレア・キミ・アントネッリが、F1初テストを完了した。

 昨年フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパを制し、今年はF3を“飛び級”してFIA F2に参戦するアントネッリ。彼は2025年にフェラーリへ移籍するルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスからF1昇格を果たすことが検討されており、チームは旧車テスト(TPC)を使用してドライバー評価を行なっている。

 その実走行テストの第一弾としてアントネッリは、レッドブルリンクで2日間にわたって2021年のコンストラクターズチャンピオンマシンであるメルセデスW12をドライブした。

 2日間で500kmを走破した後、アントネッリは次のように語った。

「信じられないような経験だ。パワーとダウンフォースを感じることができて本当に良かったし、ずっと楽しかった。本当に楽しかったし、頑張ってくれたチームのみんなに感謝したい」

 またアントネッリは次のように続けた。

「当日に備えてシミュレータ作業を行ない、いくつか重要なことを確認した。コースに出てからは、チームが無線で何を伝えているのかが分かったから、本当に役立ったよ」

 アントネッリはF2ルーキーイヤーの6戦を終えて、ドライバーズランキング9番手につけている。直近のメルボルン戦ではフィーチャーレースでシーズンベストの4位入賞を果たした。

「この2日間で多くのことを学んだし、それはF2に戻った時も大いに役立つだろう」とアントネッリは言う。

「でも僕は仕事を続けて、さらに改善していく必要がある」

 今年のサウジアラビアGPでフェラーリから急遽代役参戦を果たしたオリバー・ベアマンと比べても、アントネッリはこれまでF2で好パフォーマンスを発揮していると言える。

 メルセデスでチーム代表を務めるトト・ウルフも、アントネッリのF1昇格は急がないものの「キミなら上手くやれるだろう」とコメントしている。

 そしてウルフ代表は、チームが常勝軍団復活に向けた“再建段階”にいると認めた上で、来季のドライバー選択に関して次のように語った。

「このレギュレーションが始まって3年が経った今、我々はこれまでとは違うやり方をしなければならないというのを知っておく必要がある。我々が良いと信じているやり方を投げ出すことなくね」

「若いドライバーを起用して、すぐに勝利を争うよりもプレッシャーが少ない状態でチャンスを与えることもできるし、経験豊富なドライバーを起用することで、現在の成績から抜け出すのを助けてくれるかもしれない」