今季のキック・ザウバーは、開幕からピットストップが立て続けにうまくいかず、大きくタイムをロスしてしまうことが相次いでいる。この状況について所属ドライバーのバルテリ・ボッタスは、エミリア・ロマーニャGPまでに解決されることを願っていると語った。

 キック・ザウバーは今季開幕から、革新的なピットストップ装備を導入した。しかし開幕戦ではホイールナットが真っ直ぐにハマらない問題が発生。チームはその後、問題の発生を抑えるために装備を見直し、作業手順も変更したが、それでもピット作業のミスが相次いでいる。

 今季は特に中盤の勢力図に差がなく、ほんの僅かのタイムロスが、その命運を左右することになる。結局キック・ザウバーはピットストップでのタイムロスも影響してここまで無得点。一方RBやハースは、僅かなチャンスを活かしてポイントを積み重ねている。

 中国GPにも問題解決策を持ち込んでいるというキック・ザウバー。しかし完全な解決までにはまだ時間がかかるようで、同チームのボッタスは、エミリア・ロマーニャGPまでには完全解決されることを願っている。

「非常に難しい状況だし、僕らはそういう状況にいるべきじゃない。でも実際にそういう立場に立ってしまっているし、今はそれを解決する必要がある」

 そうボッタスは語る。

「今週末に向けても修正が加えられるが、100%修正できたわけじゃない。僕らにとって、ピットストップが強みではないことは確かだ。どちらかと言えば、弱点だろう。でも、僕らは努力している。今後、解決の作業がスムーズに進んでいくことを祈りたい」

 いつまでに問題が解決できると考えているのかと尋ねられたボッタスは、「イモラまでには」と語った。

 なお前回の日本GPでボッタスは、角田裕毅(RB)より前を走っている時にピットイン。この時、その角田もピットに飛び込んだ。しかし角田のピット作業が特に速かったわけではないものの、キック・ザウバーの作業は時間がかかり、角田に先行を許してしまった。その上、アルピーヌのエステバン・オコンにもアンダーカットされてしまった。

 結局角田は10位でフィニッシュし、ポイントを獲得。ボッタスは14位でのフィニッシュだった。

 ボッタス曰く、ピットストップの問題さえ解決すれば、入賞を争うことができるはずだと語った。

「僕らはレースごとに改善してきた。それは、色々なモノを持ち込んできたからだ」

 そうボッタスは言う。

「過去2回のグランプリでは、ペースという面ではRBや角田と同等だった」

「ピットストップで抱えてしまった問題が、実際手にするべきレース結果を覆い隠してしまったんだ」

「例えば日本では、最初のピットストップの前に僕は、角田よりも前にいた。でも角田は結局10位でフィニッシュした……僕らはまだ、ポテンシャルを完全に発揮できていないのだと思う」

「ライバルと同じタイミングでピットストップすると、ポジションを失ってしまう可能性が高くなることを、僕らは認識している」

「それについて最適化するように試みるつもりだ。そんな必要なければよかったけどね。でも今後数レースのうちに、ピットストップの一貫性、そして100%問題を修正できることを願っている」