まるで別物! ヤマハのクアルタラロ、全面改良型MotoGPマシンをテスト。飛躍のきっかけとして期待「違いが少しじゃないのは初めて」
ヤマハはここ数年、パフォーマンスの低下を食い止めるために水面下で全く新しいマシンの開発を続けてきた。そして今回のヘレステストで、M1の新バージョンを持ち込んできた。
このマシンに乗り込んだのが、レギュラーライダーのクアルタラロとアレックス・リンス。ふたりで157周を走行し、リンスが14番手、クアルタラロが18番手のタイムを記録した。
テストを終えたクアルタラロは、ヤマハがデータを精査するまで詳細な評価は控えたいとしつつも、今回の改良がM1のフィーリングに大きな影響を与えたことは明らかだと語った。
「新しいものを試す時、違いがわずかではないのは初めてのことだ。今回試した新しいシャシーは全く別物なんだ」
「以前は他のものを試していたけど、(違いは)小さなものだった。今回はバイクで感じたものは非常に大きな違いだった」
「これは正しい道にいることを確認するための第一歩と言える。でもそれをハッキリさせるにはさらにテストが必要だし、まだいくつかのアイデアがある」
クアルタラロはさらにこう続ける。
「(新しいシャシーには)旋回性能を期待している。それは僕たちが解決しようとしているところだ。そこに関しては若干改善が見られたけど、本当にわずかだ」
「これまでなかったような、フロントからのフィードバックが少し増えた。でも大量に増えたわけではない。少し良くなったけどまだ足りていないんだ」
ヤマハはクアルタラロと2年の契約延長に合意したばかりだが、彼と共に再びタイトルを争うためにM1の全面的な改良に踏み切った。マシンの変更点は、シャシー、空力、電子制御と多岐に渡る。エンジンのみが変更されておらず、レース用と同じ仕様で製造されたテスト用ユニットを使用した。
「僕たちはシャシー、エアロ、スイングアーム、電子制御と非常に多くのものをテストした。エンジンはテストエンジンで(レース用と)同じものだ」とクアルタラロは言う。
「今の段階で結論を出すのは難しい。もちろん、もっとよく解析する必要がある。ポジティブな面もあれば、残念ながらうまくいっていない面もある」
「ただ僕たちはル・マン(フランスGP)の後、ムジェロで追加のテストをする予定だ。そこでその辺りを改良して、改善されるかを確かめることになる」
クアルタラロは今回ヘレスで登場した新パッケージの評価を進めた後、5月のスペインGPに向けていくつかのパーツを投入することを期待している。
「今日テストした中からいくつかのアイテムを使うことになるだろう。違うサーキットでテストすることはいつだって良いことだから、ル・マンで色々試すことは悪くないだろう」
「別のサーキットに行った時にどういうフィーリングになるのかは興味深い。ル・マンとムジェロはここと全然違うコースだからね」