レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1第7戦エミリア・ロマーニャGPを勝利したが、終盤はランド・ノリス(マクラーレン)に迫られ、0.725秒差の辛勝となった。

 フェルスタッペンはミディアムタイヤを履いた第1スティントでは後続に6秒のリードを築き、ペースをコントロールしたものの、24周終わりでピットストップしてハードタイヤに履き替えたが、タイヤを適切な作動領域に保つことができず、グリップ不足に陥った。

 フェルスタッペンは、トサのヘアピン(ターン7)で危うくクラッシュするところだったと説明した。

「ミディアムタイヤではとても良かった」

 今季5勝目をマークしたフェルスタッペンはそう語った。

「でもハードタイヤに履き替えてすぐ、最初の5〜10周はそうでもなかったかもしれないけど、それ以降は『このまま最後まで走り切る自信がない』って感じだった」

「タイヤがオペレーション・ウインドウから外れて、まるで氷の上を走っているようだった」

「ターン7ではグランドスタンドに突っ込みそうになった。とても難しくて、奇妙なラインをとらなければならなかったんだ」

 これまでであれば、それでもフェルスタッペンがリードを保ったまま、フィニッシュまでクルージングしただろう。しかしマイアミGPでマシンがアップデートされたノリスは、ラスト10周でフェルスタッペンを猛烈に追い上げ、そして最終盤では追い詰めるところまでいった。

 フェルスタッペンは、ノリスを後ろに抑えておくことができるかどうか疑問を持っていたことを認めたが、メインストレートをうまく立ち上がることに集中していたという。

「あのときは生き残ろうと必死だったけど、突然ランドがペースを上げてきたんだ」

「彼が追い上げてくるのが見えたから、抑えておけるかどうか不安だった。1周0.5秒追い上げられた。これは大きな差だ」

「でも一方で、何もできないのも事実だった。バランスが悪くなっている時に、いきなり0.5秒縮めるのは無理だ」

「ミスをしないようにすること、バランスの問題を回避すること、ストレートで速く走ることだけを考えていた。僕たちが持っているリヤウイングのおかげで、ストレートはかなり速かった」

 さらにフェルスタッペンにとって頭痛の種になったのは、彼にはトラックリミット違反によって警告を意味する白黒旗が振られており、5秒のタイム加算ペナルティにリーチがかかっていたことだ。

「ミディアムでアンダーステアが酷くて、それで時々エイペックスを外してしまっていたんだ」

「その後は少しマージンを残していた。ランドが追い上げてきた最後の数ラップは、コースを目一杯使わなければならなかったから、ちょっと大変だった」

「集中力が必要で、すべてのコーナー出口で自分のしていることを確認しておく必要があったんだ」