ドゥカティのエネア・バスティアニーニは、2025年にMotoGPのシートを失う可能性が出ているが、自身にスピードはあると考えていることから「奇妙な感覚」だと語っている。

 ドゥカティは今年でフランチェスコ・バニャイヤとバスティアニーニのふたりの契約が満了となっていたが、バニャイヤは既に2年契約を延長。バスティアニーニのシートに来年誰が座ることになるのかは、注目のポイントとなっている。

 現在26歳のバスティアニーニも当然残留を狙っているものの、昨年ランキング2位となり2024年シーズンもチャンピオン争いをリードしているホルヘ・マルティン(プラマック)やマルク・マルケス(グレシーニ)という存在がさらに注目されており、バスティアニーニの残留の可能性は低いと見られている。

 なおドゥカティはイタリアGPまでにはファクトリーチームのライダーを決定する意向を見せている。

 シート喪失の可能性があることが、どんな影響を与えているのか? バスティアニーニはその点について訊かれると「スピードはあるから、奇妙な感じだ」と答え、さらに次のように続けた。

「でも時には幸運が必要だったり、色々と組み合わせが必要だったりする。そして今のところ、僕にはそういうことは起きていない。そこは僕も穏やかじゃない」

「ドゥカティは僕のポテンシャルを確認していて、僕に何ができるかも理解していると思う。だけどドゥカティはホルヘが今、どんなことをできているのかも分かっている。彼は(フランスGPでも)勝ったし、本当に速いライダーだ」

「ドゥカティの決断もとても難しいモノだっていうのは、僕も分かっているよ」

 バスティアニーニは2023年シーズン前半に怪我で長く欠場してしまったことで、勝利は終盤戦のマレーシアGPまで待たなくてはならなかった。ただ2024年シーズンは序盤から調子を取り戻しており、これまで勝利こそないが、決勝でトップ5フィニッシュを下回ったことはない。

 先日行なわれたフランスGPでバスティアニーニはコーナーをカットしたことによるロングラップペナルティを受けつつも、4位でフィニッシュしている。

 バスティアニーニ曰く、スペインGP後のヘレステストで大きな進歩があり、2024年型マシンからよりスピードを引き出すことができたものの、フランスGPではミスによってそれを損なってしまったという。

「ヘレスではいくつか新しいソリューションを試したんだけど、そのうちのひとつが僕にとって凄く良かったんだ」

「その時から、僕はもっと速くなった。新品のタイヤでも、中古タイヤでもね」

「それで今週末(フランスGP)向けて自信があったんだ。速さは実際あった。でもレースウィークを通じてミスをたくさんしてしまった」

「(進歩を示す結果は)何も無い。4位が2回だった」