サンフランチェスコ・アル・カンポからサンチュアリオ・ディ・オロパまでの161km、大会2日目にして1級山頂フィニッシュ、ただし前半100kmは平坦基調。アクチュアルスタートが切られるとマリア・チクラミーノ繰り下げ着用のフィリッポ・フィオレッリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)、ダヴィデ・バイス(ポルティ・コメタ)らが飛び出し、人数が増えたところで吸収、再びアタックがかかり5人の先頭グループが容認された。メンバーはフィオレッリ、バイス、マルティン・マルチェルージ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)、クリスティアン・スカローニ(アスタナカザクスタン)、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)。

メイン集団はイネオス・グレナディアーズが牽引、タイム差はどんどん開き4分半までひらくと ルイ・オリヴェイラ(UAEチームエミレーツ)が先頭に入りペースアップをはかった。中間スプリントポイントとインテルジロをフィオレッリが先頭通過しポイント賞首位に。そのタイミングでピッコロが抜け出し独走を開始、3級山岳2つと中間スプリントポイントを先頭通過し最後の1級サンチュアリオ・ディ・オロパへ1分半のマージンを持って上り始める。

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)は町中で前輪をパンクしカーブで落車、バイク交換をしてから上り始める。ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ)の牽引で残り距離6.5kmでピッコロを吸収し、縦に伸びた集団後方ではナイロ・キンタナ(モビスター)、テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ)、ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)、ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)らが苦しんでいる。

ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ)の牽引から残り距離4.5kmでポガチャルがアタック、ベン・オコーナー(デカトロン・アージェードゥーゼールラモンディアル)がついていくも、加速したままポガチャルは独走体勢へ。ゲラント・トーマスやジョナタン・ナルバエス(ともにイネオス・グレナディアーズ)はマイペース走法で無理せず追いかける。

ポガチャルはペダルを緩めることなく、後続に27秒の差をつけて独走勝利、全てのグランツールでステージ優勝し、マリア・ローザも獲得。7位に入ったキアン・アイデブルックス(ヴィスマ・リースアバイク)はヤングライダー賞首位、初のグランツール特別賞ジャージに袖を通し喜びに溢れていた。

「夢のような勝利だ、ブエルタ、ツールで区間優勝してジロでも勝つことができた。今日はマリア・ローザを獲ることが目標だった、これで数日はリラックスできる」ポガチャル、ステージ勝利後インタビュー

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【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第2ステージ|Cycle*2024

ステージ順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 03h 54' 20''
2 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 27''
3 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
4 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア/アスタナカザクスタン),,
5 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ),,
6 マイケル・ストーラー(オーストラリア/チューダープロサイクリングチーム)+ 00' 30''
7 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク),,
8 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター),,
9 フアン・ロペス(スペイン/リドル・トレック)+ 00' 35''
10 ヤン・ヒルト(チェコ/スーダル・クイックステップ)+ 00' 37''

個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 07h 08' 29''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 45''
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ),,
4 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)+ 00' 54''
5 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター),,
6 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア/アスタナカザクスタン)+ 01' 05''
7 フアン・ロペス(スペイン/リドル・トレック)+ 01' 09''
8 ヤン・ヒルト(チェコ/スーダル・クイックステップ)+ 01' 11''
9 エステバン・チャベス(コロンビア/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 01' 24''
10 ベン・オコーナー(オーストラリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル),,

ポイント賞
1 フィリッポ・フィオレッリ(イタリア/VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)42 Pts
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)27 Pts
3 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)25 Pts

山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)51 Pts
2 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)26 Pts
3 リリアン・カルメジャーヌ(フランス/アンテルマルシェ・ワンティ)20 Pts

ヤングライダー賞
1 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)in 07h 09' 23''
2 アレックス・ボーダン(フランス/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 00' 44''
3 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 00' 48''

チーム総合順位
1 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)in 21h 29' 51''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 00' 32''
3 アスタナカザクスタン(カザフスタン)+ 00' 46''

リタイア
173 ロベルト・ヘーシンク(オラン/ヴィスマ・リースアバイク)

5月6日(月)第3ステージ
ノヴァーラ > フォッサーノ
166 km(平坦 ★★☆☆☆/獲得標高 750 m)

お待ちかね、ピュアスプリンターたちの2024年ジロが、大会3日目にしてようやく本格始動する。道の果ての1300mの長い平坦路では、熱く、激しく、ゴージャスな大集団フィニッシュが繰り広げられるに違いない!

かつてマリア・ローザを2度持ち帰り、昨秋ジロの殿堂入りを果たしたジュゼッペ・サロンニの生まれ故郷ノヴァーラから、フラットな1日は始まる。コース上に組み込まれた山岳は、小さな小さな4級ひとつ。むしろグランツール序盤特有のナーバスさと、市街地に点在する中央分離帯やスピードバンプなどの安全設備のほうが、巨大なプロトンにとっては障害となりそうだ。

ラスト4.5kmから3kmまでの坂道と、そこへ向けての場所取りは、恐ろしく熾烈なものとなるだろう。平均勾配は5.3%と決して易しくなく、しかも2つのヘアピンカーブを含むいくつかのコーナーが待ち受ける。もちろん落車分断を恐れる総合勢たちも含めて、各チームは総出で隊列を走らせるだろうし、奇襲での攪乱作戦も見られるかもしれない。

無事に坂を上り終えたら、残りはほぼ完璧な平坦路。フィニッシュ手前1.3kmの鋭角コーナーを好位置で抜け出し、フォッサーノの町を一直線に貫く道路でトップスピードに乗りたい。

ステージ詳細テキスト:宮本あさか