シカゴのルーキー左腕が再び防御率を1.00未満に改善させた。

カブスの今永昇太は現地5月13日(日本時間14日)、敵地トゥルーイストパークでのブレーブス戦に今季6勝目を期して先発登板すると、ナ・リーグ屈指の強力打線相手に5回投げて苦戦を強いられるも、要所を締める粘投でスコアボードに0を並べた。

最終的に5回98球を投げて7安打無失点、8奪三振3四球の内容でブルペンへバトンを渡した。試合は6回に2点を先制したブレーブスが、そのまま2-0で逃げ切り勝利。今永に勝敗はつかなかったが、防御率を0.96と、再び1.00未満に改善させた。

地元紙『シカゴ・サンタイムズ』は試合後、電子版に「ショウタ・イマナガは、走者を背負いながらピンチを回避し無失点に抑えるも、カブスはブレーブスに2-0で完封負け」と題した速報記事を掲載。

その中でこの日の左腕について、「イマナガは7安打3四球と、メジャーリーグでのキャリアで最も走者を出すも、ピンチを回避し、ブレーブスに対して5回を無失点に抑えた」と振り返った上で、「彼はカブスの左腕としては、1954年のジム・デイビス以来となる、1試合で2度の牽制アウトを記録した」と伝えている。

一方、『MLB.com』でカブスを担当するジョーダン・バスティアン記者は、試合後に投稿した速報記事の中で、「イマナガは多くの走者を背負いながらも、失点を回避し、5回無失点とした」とした。

その上で、「その過程で、カブスのルーキー・センセーションは、歴史的なフットノートを集め続けた」とし、前述の1試合2牽制アウトのくだりに加え、「イマナガの防御率0.96は、少なくともア・リーグとナ・リーグの両方で、自責点が公式スタッツとなった1913年以降では、キャリア最初の8先発登板(オープナーは除く)としては史上4番目の成績」と伝えた。

そして、「カブスの投手としては、少なくとも(ナ・リーグが自責点を記録し始めた)1912年以降では、イマナガの防御率はシーズン最初の8先発登板としては最小」であると報じた。

なお、『MLB.com』が今永の躍進を「今季のカブスで1番のサプライズ」と伝えたのは既報の通りだが、大手スポーツサイトも同様の見方をしているようだ。現地スポーツサイト『ジ・アスレチック』は現地13日付で、「今季MLBの10大サプライズ:センセーショナルなイマナガから期待外れのアストロズまで」と題した記事を掲載。

その中で、開幕から大失速を見せているアストロズに続く、今季MLBで2番目のサプライズ項目を「これまでショウタ・イマナガが、ヨシノブ・ヤマモトに優っている」点とし、鳴り物入りでドジャースに入団した山本由伸が、デビュー戦でメジャーの洗礼を浴びつつ、「その後は、4勝1敗、防御率2.79と盛り返した(現地13日のジャイアンツ戦は含まず)」が、「これはサプライズではない」と前置き。

「驚きだったのは、同じくフリーエージェントで、カブスと契約したショウタ・イマナガがヤマモトだけでなく、ナショナル・リーグ全ての投手を上回ったことだ」と論じた」。

さらに記事では、この日のブレーブス戦を前にした左腕の「5勝無敗、防御率1.08、WHIP 0.816」という成績について、「彼はこの成績を、ゾーン高めに決まる91〜93マイル(146.5〜149.7キロ)の速球と、ゾーンの内外に大きく落ちることで三振を奪うスプリットにより収めた」と伝えている。