水俣病患者団体らとの懇談の場で環境省の職員が強制的にマイクの音を切った問題で、伊藤環境大臣は国会で陳謝しました。

 伊藤環境大臣

「発言されていた方に、大変申し訳ない思いでございます。改めて懇談の場を作ってほしいというご要望があり、私の責任で懇談の場を設けることを決定しました」

 9日の参議院の環境委員会で、冒頭に発言を求められた伊藤大臣は、時期などは未定としながら、改めて懇談の場を設けると明言しました。

 環境委員会では、水俣病をめぐる環境省の対応について問題視する声があがりました。

 不知火海沿岸で実施が検討されている健康調査について、立憲民主党の川田龍平参議院議員が「調査手法の開発が先という理由で実施に至っていないということですが、検証をしっかりやるという立場で、健康調査、疫学調査をやっていただけますか」と述べると、伊藤環境大臣は「できる限り早く実施できるよう促進したい」と応じました。

 また、川田議員は発言中にマイクを切られた松崎重光さんと対面した経験を振り返り、「国が認定してこなかった水俣病患者のみなさんを認定してほしいんですよね。認定してもらえませんか」と患者認定による全面解決を迫りました。

 これに対して伊藤環境大臣は「法律がどうしても足りないということであれば、立法府として法律を作っていくことが必要ではないかと思います」と述べました。

 この問題をめぐって、伊藤環境大臣は、8日、水俣市を訪れ、関係者に謝罪しました。

 また、懇談の場に同席していた熊本県の木村知事は「運営については適宜見直しがなされるべきと考えており、運営の改善をお願いしたい」とコメントしました。