三菱重工長崎造船所で働いていた元職員が肺の病気・じん肺を患い死亡したとして遺族が損害賠償を求める裁判が16日、長崎地裁ではじまりました。

訴えを起こしたのは、三菱重工長崎造船所で働いていた職員の遺族です。

訴状によりますと、職員は1956年から34年間、船の修繕作業などを担当し退職後の2021年にじん肺と診断され死亡しました。

遺族は三菱重工に安全配慮義務違反があったとして、慰謝料およそ2200万円を求めています。

三菱重工はじん肺と診断された職員を対象に補償制度を設けていて国の労災補償の受給開始後1年半が経過すると給付金を受け取ることができます。

しかし、職員はじん肺と診断されてから半年で亡くなったため給付金は受け取れなかったということです。
原告代理人 武藤 智浩 弁護士「(三菱重工の補償には)要件があり、今回のケースは半年経たないうちに亡くなったので、該当しなかった」

被告の三菱重工側は、請求の棄却を求める答弁書を提出し争う姿勢をみせています。

次回期日は9月11日です。