水俣病特別措置法をめぐる集団訴訟で、鹿児島在住者を含む原告側が4日、請求を退けた一審の熊本地裁判決を不服として控訴しました。

この裁判は、水俣病特措法に基づく未認定患者の救済策の対象外となるなどした不知火患者会のメンバーが、国と熊本県、原因企業のチッソに1人当たり450万円の損害賠償を求めているものです。

鹿児島在住者47人を含む原告144人について、熊本地裁は3月22日、請求を退ける判決を言い渡しました。

熊本地裁は、このうち25人については水俣病に罹患していることを認めましたが、「発症から20年以上が経過し、損害賠償請求権が消滅する『除斥期間』を過ぎている」と判断しました。

原告144人のうち143人が判決を不服として、4日付で福岡高裁に控訴し熊本市内で会見が開かれました。

1人は提訴から約10年と裁判が長期化していることを理由に控訴を断念したということです。

森正直原告団長
「今回の除斥による全員棄却という判断は、事実を追求する司法の責任の放棄としか言いようがない」
「いかに司法が私たちを切り捨てようとも、私たちの苦しみを葬り去ることなどできない」
「私たち原告は間違い無く苦しみ続けてきた水俣病被害者です」