ヘアアイロンを自宅で気軽に使ってヘアアレンジを楽しめる時代。でも、どんなヘアアイロンを選べばいいのか、どのように使えば髪が傷みにくくなるのかなど、意外と知らない方も多いはず。そこで今回は、ヘアスタイリストさんにヘアアイロンの選び方から設定温度の目安、上手に使うポイントまでを教えてもらいました。

ヘアアイロン選び、ココをチェック

自宅で手軽に自分の髪をスタイリングするのに欠かせないヘアアイロン。でも、毎日使用していたら、いつの間にか髪がゴワゴワになっていた、ツヤがなくなってきた、毛先はパサパサになり枝毛になっていた…という経験はありませんか?

そうならないために髪を労わりながらヘアアイロンを使うことが大切ですが、アイロンを選ぶ際にチェックしたいポイントは主に下記の4つ。

①プレートの素材の種類
②温度調整ができるか
③ケア機能付きか
④操作性に優れているか

プレートの素材には何がある?

ヘアアイロンのプレートの素材には「チタン」「セラミック」「テフロン」があります。

チタン

強度や耐久性、耐熱性に優れており、摩擦が少ないため髪が痛みにくく、髪通りも滑らかに。抗菌作用が期待できるため衛生面も◎。ただし、チタンは加工が難しいため価格は高額傾向にあります。

セラミック

熱伝導率に優れた素材なので、熱を保ちつつ冷めにくいのが特徴。プレートがすぐに温まるので、スピーディーでムラのないスタイリングが可能に。耐久性が高く丈夫なところもポイントですが、摩擦が多いため髪が傷みやすいデメリットが。

テフロン

摩擦が少ないため髪がプレートに引っかかりにくく扱いやすいのが特徴。テフロン素材のヘアアイロンは安価ですが、コーティングが剝がれやすいため、耐久性が低いというデメリットがあります。

おすすめは、チタン→セラミック→テフロンの順。プレートの違いで使い心地や髪への負担が変わってきます。

このように、ヘアアイロンに使われるプレートのメリット・デメリットは素材によって違います。

自分の中で何をポイントにしてヘアアイロンを選ぶのか、買い替えるのか、プレートの素材も参考にしてみてくださいね。また、値段は高くなりますが、"使うたびに髪をキレイにしてくれるヘアアイロン"なども販売されています。

その他の選ぶときのポイント

ポイント②の「温度調整ができるか」は、ヘアアイロンを使うときは設定温度が重要になってくるのですが、こちらは後述します。

③の「ケア機能付きか」は、マイナスイオン、スチーム、保湿など、髪へのダメージを抑えたりケアしたりする機能が搭載されたものもあります。そのような機能もチェックしてみてください。

④の「操作性に優れているか」は、ヘアアイロンは毎日使うものだからこそ使いやすいものを選びたいですよね。ハンドル部分の握りやすさや温度調整のしやすさ、手や腕に負担がかからないよう軽さを重視したいなど、操作性に優れているかどうかも選ぶ際のチェックポイントに。

ヘアアイロンを使う時は「適切な温度」を意識して

ヘアアイロンを使えば素敵にスタイリングできますが、ヘアアイロンの「熱」は髪のキューティクルの大敵です。アイロンを使用するときには、この「熱」によってタンパク質を硬化させない温度設定が重要です。

「タンパク質を硬化させない」とは?

髪は主にケラチンと呼ばれるタンパク質でできています。食品を例に挙げると分かりやすいと思いますが、タンパク質を含むお肉や卵、これらは熱を加えることで硬くなりますよね。タンパク質でできている髪も、一定以上の熱量を加えると硬化する性質があります。

熱が加わることで髪をきれいにスタイリングできる一方で、熱を与えすぎて髪が硬化すると、ゴワゴワしたりパサパサしたりツヤがなくなって、いわゆるダメージヘアになります。そのため、ヘアアイロンを使うときは、最適な温度とあてる時間を意識することが大切になります。

「130度以下で3秒以下」を目安に

180度の温度設定では8.4% 、200度の温度設定では24.1%ほど髪の強度が低下してしまいます。温度と時間の目安としては、「130度以下で3秒以下」を意識して行なうと、髪への負担が軽減されます。

また、ヘアアイロンをあてる前に熱から髪を護るヘアケア用品を使用し、しっかりブラッシングをしてからから始めてみてください。髪の絡まりを防ぐことでアイロン操作がスムーズになり、スタイリング剤やトリートメント剤をつけることで、髪へのダメージを軽減します。

ヘアアイロンをあてる前のケアや適切な温度設定にするなどの"ちょっとしたお手入れの変化"によって、明日から髪の毛も元気になり喜んでくれると思います。

まとめ/暮らしニスタ編集部 協力/TORU(『UG』ヘアスタイリスト)