東海北陸道を一宮JCTからさらに延伸し、伊勢湾岸道へ直結させる「一宮西港道路」の概略ルートが決まりつつあります。完成したら一体どれだけ便利になるのでしょうか。

いよいよ概略ルート決定の段階へ

 国土交通省 中部地方整備局は2024年3月7日、新たな名古屋圏の高速道路となる計画の「一宮西港道路」について、概略ルートを3案に絞り、これから最終案を決定していく方針としました。
 
 この「一宮西港道路」いったいどんな道路で、完成すればどう便利になるのでしょうか。

 一宮西港道路は、東海北陸道を一宮JCTからさらに南へ延伸させ、東名阪・伊勢湾岸道方面へ接続する構想の高規格道路です。

 東海北陸道は、一宮JCTで名神高速に接続し、そこで終わっています。そのため、東海北陸道の交通はすべて名神へ流入していき、慢性的な渋滞を引き起こしています。

 一宮西港道路が完成すれば、これらの交通流が名古屋港方面、東名阪・伊勢湾岸道方面へ分散されることとなります。一宮JCTをスルーして交通流が南へ抜けていけば、悪名高い渋滞箇所「一宮JCT」の交通状況は大きな変化を迎えるかもしれません。

 また、東海北陸道から東名阪・伊勢湾岸道をとおして、三重・和歌山や関西方面へ新たな直結ルートが誕生することになります。富山〜東海北陸道〜新名神〜大阪市街というルートも生まれ、東海環状道とともに中京圏のバイパスの役割を果たすことが期待されます。

 さらに将来的には、名古屋港から海を越えて、知多半島を横断し、安城を経て東名に接続する「名古屋三河道路」も整備される計画です。こちらもルート選定の真っ最中です。

 さて、一宮西港道路の実現のためには、まず概略ルートが決定されたあと、環境アセスメントと都市計画決定を経て、事業化となる必要があります。

 現在はその「概略ルートの決定」を行う「計画段階評価」が進行中です。まずは概略ルートが3案に絞られました。

 概略ルート3案は、まず一宮JCTから南進する地上の一般道路「西尾張中央道」上に高架道路を設け、伊勢湾岸道へ到達する最短距離のルート。それから東名阪の弥冨ICを経由するルート、3つめは国道155号上に高架道路を設ける、やや迂回めの案です。

 これから、地域住民や沿線利用者へのヒアリングなどを経て、最終案を選定する段階に入っていきます。