三菱は、2024年8月に開催予定の「アジアクロスカントリーラリー」への参戦を発表するとともに、新型「トライトン」を改造した参戦車両を公開しました。

三菱が新型「爆速SUV」で王座奪還に挑む!

 三菱は2024年3月26日、タイで開催された「第45回バンコク国際モーターショー」にて、同社が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」が2024年8月に開催予定の「アジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)」に参戦すると発表するとともに、新型「トライトン」を改造した参戦車両(T1仕様)を公開しました。

 チーム三菱ラリーアートは、昨年開催されたAXCRに新型トライトン3台体制で参戦し、チャヤポン・ヨーター選手が総合3位に入賞。

 また、2台以上のエントリーですべての車両が完走し「チーム賞」を獲得しています。

 これまでの参戦車両は、新型トライトンの軽快なハンドリングと高い信頼性を強みとして、排気量が大きく動力性能で勝る競合車に対抗してきました。

 今年のAXCR参戦車両では、各部の熟成を図るとともに加速性能と走破性を強化。総合的なポテンシャルをより高めたモデルを投入し、必勝態勢で王座奪還に挑むといいます。

 今回公開されたトライトンのT1仕様は、先述した動力性能の強化とともに、ボディ全体に新しいカラーリングを採用。

 湧き出した溶岩のようにエネルギッシュな「レッド」はそのまま、巻き上がるダストをデジタライズしたグラフィックが特徴です。

 さらに、湧き出した溶岩が固まって強固な岩盤となった様子をイメージした「ガンメタリック」も車体後方に配置し、同車の力強い躍動感と耐久信頼性を表現しています。

 チーム三菱ラリーアートの総監督、増岡浩氏は、今回の発表について以下のコメントをしています。

「昨年はトライトンが過酷なアジアクロスカントリーラリーでも堅牢性、耐久性に優れていることを確認できましたし、軽快なハンドリングと高い悪路走破性は強みであることを再認識しました。

 ニューモデルで2回目の参戦となる今年は、大排気量の競合車と互角に戦えるよう動力性能を強化するとともに、ワイドトレッド化でさらに走破性を強化して臨みます。

 チーム三菱ラリーアートは、王座奪還に向けて始動します。ご声援をよろしくお願いします」

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 三菱はかつて本格クロカン車「パジェロ」を改造した車両で「ダカールラリー」に参戦しており、その参戦車両のベースとして開発された「パジェロエボリューション」という高性能モデルも市販されていました。

 今回の新型トライトンをベースとした参戦車両はその時代の三菱の雄姿を彷彿とさせるものであり、またラリーの経験や技術がフィードバックされたモデルが市販車として登場するのかも期待が高まります。