大雪や大雨でよく通行止めとなる、滋賀〜岐阜県境付近の国道21号。ここに「関ヶ原バイパス」を延伸してつなげる計画があります。開通すればどう便利になるのでしょうか。

立ち往生などで頻繁に通行止め

 雪のシーズンになるたびに通行止めとなるのが、滋賀〜岐阜の県境付近である関ヶ原エリアです。
 
 その中でも特に急勾配が続く国道21号の「山中峠」に、バイパスの整備計画があります。いったいどんなルートなのでしょうか。

 関ヶ原エリアは、平均で115ミリもの積雪がある豪雪地帯にあって、2021年末には26時間にわたって通行止めとなりました。長い立ち往生の行列が発生したほか、名神と国道365号も通行止めになり、滋賀〜岐阜県境部が完全に寸断されています。

 特に山中峠は6%を超える急勾配で、スリップにより登れなくなり立ち往生が発生しやすい区間となっており、雪や大雨によって通行止め措置が行われることが多い区間です。

 いっぽう、関ヶ原〜垂井には、国道365号と国道21号をつなぐ「関ヶ原バイパス」が2003年に開通。これにより、長浜方面から大垣・岐阜へ抜ける際に、スムーズな下り勾配となり、関ヶ原の中心街の旧態依然とした街道筋の渋滞を避けられるようになりました。

 その関ヶ原バイパスですが、米原方面へ抜ける国道21号の直接的な助けにはなっていません。そのため、南西へ延伸し、山中峠をスルーして滋賀県境までつなげる、4.4kmの計画があります。あわせて開通済みの区間も、4車線拡幅が計画されています。

 気になる進捗ですが、延伸部は「都市計画決定に向けた協議」「調査設計」などのレベルで、まだ事業化の見通しはありません。4車線化も、用地取得率は10年前から85%、事業進捗率も58%のまま変わっていません。昨年度も当初予算で1000万円の予算がついていましたが、結局使わず。とはいえ、2024年度予算では倍額の「2000万円」が割り当てられています。もしかすると、環境アセスメントの準備や予備設計など、何らかの動きがあるかもしれません。

 地元の関ヶ原町など各自治体も毎年のように「早期着工」を要望している、関ヶ原バイパスの延伸。毎年のように通行止めに悩まされる県境部が改良を遂げる日はいつになるのでしょうか。