ホンダの新型「フリード クロスター」は、先代モデルよりもタフギア感がアップしましたが、なぜなのでしょうか。

新型「フリード クロスター」タフさ“マシマシ”に

 ホンダは2024年5月9日、新型コンパクトミニバン「フリード」を先行公開しました。6月の発売を予定しています。
 
 なかでも、アウトドアテイストに仕立てた「フリード クロスター」は、先代よりもさらにタフな印象を増しています。なぜなのでしょうか。

 フリードは2008年に登場しました。全長や全幅を抑えた扱いやすいボディサイズに、両側スライドドアや使い勝手のよい3列シートを採用したことで、人気を獲得します。

 2016年に登場した2代目では、先進運転支援「ホンダ センシング」を採用し安全性能を高めたほか、1モーター+7速DCTを搭載するスポーティなハイブリッドモデルを設定しました。

 以来販売面も順調に推移しており、2020年からはホンダの普通車においてトップの台数を記録するなど、国内のラインナップにおける主力モデルとなっています。

 そして今回、8年ぶりの全面刷新を果たし3代目となった新型では、デザインを大幅に刷新。上質で洗練された印象のフロント・リアデザインに、張りのあるボディサイドを組み合わせ、信頼感や使い勝手を感じさせる仕上がりとなっています。

 インテリアでは、大容量収納や取り出しやすいトレーを配置して使いやすさを高めたほか、リアクーラーの設定やクオーターガラスの拡大など、2・3列目の快適性も高めています。

 パワートレインも刷新され、2モーターハイブリッド「e:HEV」を採用。走行性能の向上を図りました。なお、通常のガソリンエンジンモデルも用意されます。

 ボディサイズは全長4310mm×全幅1695mm(クロスターは1720mm)×全高1755mm、ホイールベースは2740mmです。

 ラインナップは上質でシンプルな「AIR(エアー)」と、アウトドアテイストを強めた「CROSSTAR(クロスター)」の2モデルとし、クロスターでは2列シート仕様車も設定しています。

 このうちクロスターは先代から設定されていますが、先代では標準モデルにルーフレールの装着や、バンパー下部のデザインを一部変更するなど、比較的マイルドな仕上がりです。

 対して新型では、フロントフェイスはメタル調のフロントグリルや大開口のロアグリルと周辺のブラック加飾、バンパーロアのブラックアウト化などを装備し、アウトドアテイストをより一層強めています。

 ボディサイドも前後フェンダーに無塗装樹脂のアーチモールを備えワイド化を図ったほか、サイドシルも同素材を採用。リア周りはバンパー中央にプロテクター感のあるパネルを備えた無塗装樹脂とし、全身にわたってSUV車のようなタフネスさを表現しています。

 今回、なぜこのような大幅なイメージチェンジを果たしたのでしょうか。フリードの開発担当者は以下のように話します。

「近年はアウトドアにも映えるクロスオーバーテイストが支持されますが、先代のクロスターも実は初めからアウトドアテイストに仕上げたかったのです。

 しかし、クロスターは当初設定されておらず途中追加されたモデルだったため、エクステリアで変更できる部分が限られていました。

 一方で、新型ではクロスターをラインナップさせる前提で開発を進めていたので、今回のようなイメージチェンジを果たすことができました」

 こうしたデザインの大幅な変更に加え、エクステリアカラーではアウトドアで映える「デザートベージュパール」を設定。

 さらにインテリアもブラック×カーキのコーディネートを用意し、撥水・撥油コーティングを施したシートを設定。

 インパネには、汚れにくい好感触塗装を施したセンターパネルや傷が目立ちにくいシボ加工のトレーを装備するなど、アウトドアでの使用にも向いた“気遣い装備”が多数採用されました。

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 新型フリードの価格などの詳細情報は、6月の発売近くにあらためてアナウンスされると見られます。