日銀の田村直樹審議委員は27日、青森市で講演し、今後の金融政策運営に関し「ゆっくりと、しかし着実に金融政策の正常化を進める」と述べた。大規模な金融緩和策を円滑に終えるため「これからの金融政策の手綱さばきは極めて重要だ」と強調。当面は経済や物価情勢を踏まえ「緩和的な金融環境が継続する」との考えを示した。

 日銀は19日の金融政策決定会合で、17年ぶりの利上げとなるマイナス金利政策の解除を決めた。田村氏は「正常化への第一歩を踏み出した」と評価した。一方で、短期金利は「ほとんど金利がない世界」であることに変わりはなく、大規模緩和の副作用も残る状況が続いていると指摘した。