日銀は25日、1月22、23日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。大規模な金融緩和策は維持したが、出席した政策委員から「1〜2カ月程度で金融政策の正常化に向けた検討ができる可能性が高い」などの意見が出て、マイナス金利政策解除など利上げの具体的な議論に着手していたことが分かった。

 日銀はこの会合から約2カ月後の3月19日にマイナス金利解除を決め、2007年以来17年ぶりの利上げに踏み切った。

 会合には植田和男総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人が政策委員として出席した。議事要旨は発言者を明示していない。それによると、委員は2%の物価安定目標の実現が見通せる確度について「引き続き少しずつ高まってきている」との見方を共有。委員の1人は「現在は金融政策変更の千載一遇の状況にある」と指摘した。

 一方、物価上昇率が2%を大幅に上回って推移するリスクは小さく、能登半島地震の経済全体への影響や春闘の情勢を「見極める時間の余裕はある」との見解を複数の委員が示した。