2023年4月に首都圏の私立大と私立短大に入学した下宿生の受験費用や入学金、敷金・礼金といった「受験から入学までの費用」は、前年から4万6801円増え、過去最高の230万2181円だったことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。同教連は「物価高騰の影響」と分析している。

 毎月の仕送り額(6月以降の平均)は前年比700円増の8万9300円。過去最低だった20年(8万2400円)から回復傾向にあるものの、ピークの1994年(12万4900円)に比べ低水準にとどまっている。平均家賃は6万9700円(前年比2400円増)で、仕送りから家賃を差し引いた生活費は1万9600円だった。

 東京私大教連中央執行委員の田中雅敏東洋大教授は「多くの学生がアルバイトをしなければ学生生活を送れない状況。国の給付型奨学金制度の拡充が必要だ」と訴えた。

 調査は23年5〜7月に実施。栃木、埼玉、東京、神奈川の4都県の12大学1短大に入学した学生の保護者3905人から有効な回答を得た。