不登校の児童生徒の学習支援に取り組む「ぐるぐるの森」(盛岡市)は4月から、同市動物公園ZOOMOでフリースクールを開校した。園によると、動物園内にフリースクールが設置されるのは日本で初めてとみられる。自然の多い環境の中で、動物と一緒に過ごしながら学習する。(共同通信=広部日菜)

 展望休憩所が主な勉強場所になる。教員免許を持つぐるぐるの森のスタッフらが、オンライン教材を使った個別学習を支援するほか、子どもたちが動物の行動を観察し、記録に残すことも検討している。

 園内を清掃したり車椅子で訪れた客を押して案内したり、園の手伝いもする。今後子どもたちの希望に合わせて活動内容を決めていく。

 対象は不登校などの小中高生で定員20人。岩手県外からも受け入れる。通学制で休園日の水曜日を除く平日午前10時から午後3時まで開校。現在所属している学校と、フリースクールの両方に通うこともできる。教育委員会や在籍校とも連携し、フリースクールに通う子どもたちは出席扱いとなる見込みだ。

 園が昨年、展望休憩所を活用して社会教育に貢献することを目指す事業者を公募、ぐるぐるの森が採択された。休憩所は壁がなく半屋外のため、雨風を防ぐ方法も子どもたちと考えていく。

 ぐるぐるの森の山内まどか代表(45)は「自然の中でフリースクールを開校できないかとずっと場所を探していた。子どもたちにはいろいろなことにチャレンジしてほしい」とほほ笑んだ。

 辻本恒徳園長(63)は「子どもたちの居場所や学びの場としてだけではなく、社会、地域とつながるような場になってほしい」と期待を込めた。