【ローリー(米ノースカロライナ州)共同】日本政府は、米国との同盟を軸にフィリピンなどの「同志国」を加えた多国間枠組みを強化する方針だ。安全保障分野を中心に協力を図り、インド太平洋地域で影響力を拡大する中国を抑止する狙い。岸田文雄首相は11日(日本時間12日)、米ノースカロライナ州で記者団に「自由で開かれた国際秩序を維持強化するため、同盟・同志国の重層的な連携が求められる」と述べ、関係を深める考えを示した。

 日米比は11日の初の首脳会談で、東・南シナ海で威圧的な行動を続ける中国を名指しで非難。海上共同訓練を含む防衛協力の推進で合意した。首相は記者団に「3カ国の枠組みをこれからも大事にしたいとの思いで一致した」と説明した。

 中国外務省は12日、日米、日米比首脳会談で日本が中国に否定的な態度を示したとして、日本大使館の首席公使を呼び抗議したと発表した。

 日米は韓国との結束も強化している。日米韓は昨年8月、国際会議の機会以外で初めて単独で首脳会談を開いた。今年7月にも米国での開催を調整する。