農協職員から東大教授、政治家へと転身した異色の経歴で知られる熊本県の蒲島郁夫知事(77)は15日、県庁で開かれた退任式で「万感の思いでここに立っている。この16年でさまざまな問題に見舞われた」と述べた。4期16年の在任中には県のPRキャラクター「くまモン」を打ち出し、2016年の熊本地震や20年7月豪雨では復旧復興の陣頭指揮を執った。

 蒲島氏は県北部の山鹿市出身。高校卒業後は地元農協で働いていたが、渡米し、ハーバード大大学院で政治学の博士号を取得。筑波大と東大で教壇に立ち、08年に自民党の支援を受けて熊本県知事選に出馬した。