【ジュネーブ共同】国際オリンピック委員会(IOC)がスポーツとAIに関する戦略「五輪AIアジェンダ」を発表し、スポーツの祭典の未来像を探る試みに着手した。膨大なデータのAI分析で、選手の才能発掘やけがの回復、レフェリーの支援などさまざまな領域に変革を起こせる可能性があると指摘。若者の取り込みを念頭に置き、成長が加速する分野に本格的に踏み込む構えだ。

 19日にロンドンで行われたシンポジウムでは、AIの活用例が示された。飛び込みでは、今夏のパリ五輪で回転数や回転速度などの情報を10秒以内にテレビで明示できるという。体操やトランポリンも既にAIによる採点支援が行われ、体操女子で1976年モントリオール五輪金メダリストのナディア・コマネチさんは「間違いなく有用。すごく助けになる」と期待した。

 IOCは五輪AIアジェンダを新たな戦略の柱に据え、重点5項目として「選手、公正な大会、安全な競技への支援」「AI活用の平等性の確保」「持続可能性に重きを置く五輪・パラリンピック運営の適正化」などを定めた。