【ベルリン共同】東欧スロバキアのフィツォ首相(59)が15日、中部ハンドロバで政府会合後に銃撃された。ロイター通信によると腹部などを数発撃たれ、容疑者の男が現場で拘束された。スロバキア政府は「命に関わる状態」だと発表したが、タラバ副首相は英BBC放送に「手術がうまくいき、現在は命に別条はない」と明らかにした。

 地元メディアは容疑者について、スロバキアに住む71歳の男だと伝えた。フィツォ氏は手術後、意識があるという。

 フィツォ氏は会合後、建物の外に出て支持者と交流していたところを撃たれ、ヘリコプターで搬送された。シュタイエシュトク内相は記者会見で「明確な政治的動機」による犯行だと語った。

 フィツォ氏は昨年9月の総選挙で第1党となった左派スメルを率い、同10月に首相に就任。ロシア寄りとされ、選挙戦で主張していたウクライナへの軍事支援停止を就任後に正式表明した。法の支配を弱めると批判される司法改革を進め、強権的な政治姿勢に懸念の声が上がっていた。2006〜10年、12〜18年にも首相を務めた。