「役に立ったことない」発言に反応

 SNSでは日々さまざまな議論が展開されています。2024年2月27日(火)頃から注目を集めているのは、「古典の授業は“無駄”か否か」。とあるお笑い芸人がテレビ番組で発言した内容がきっかけになりました。

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 お笑いタレントのカンニング竹山さんが同月25日(日)、23時30分から放送のTBSテレビ系のトーク番組に出演。その中で、「なくしたい無駄な時間」として古典の授業が挙がると竹山さんは共感。「古典が役に立ったと思ったことが1回もない」と見解を述べました。

 この内容をスポーツ紙のウェブメディアが翌26日(月)に記事化し配信。それがX(旧ツイッター)に転載された27日(火)以降、X上で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が展開されるに至った――という流れです。

Xでの議論、賛否それぞれの意見とは

 議論を追うと、「古典は無駄」に対して異議を唱える意見が優勢のようです。

・実用性は低くても知っていると楽しいことはある
・古典で「枕草子」を習ったからこそ「春は揚げ物」など語呂合わせを面白いと感じられる
・教養は役に立つというより人生を豊かにしてくれるもの
・“芸能”人にとっても古典はネタの宝庫なのでは?
・誰にも役立つことしか学ばなくなると世の中が殺伐としそう

など、役に立つか否かで判断する尺度を疑問視する声や、教養として身に付けているからこそ視野や視点が広がるといった意見が多く見られました。

 一方で、「古典は無駄」について一定程度の理解を示すアカウントも少なくありません。

・「役立つかどうかでない」のは、どの教科も同じ。優先順位は付けるべきで、古典漢文は必修ではなく選択科目にする時期では
・現実的に授業時間が有限の中で「情報」などの履修科目が増えるなら必然的に何かを削らざるを得ない
・「春は揚げ物」が理解できる程度のメリットしかないなら廃止すべきでは?

 また中には「どこまでが番組の台本か分からないし、さらにその一部を切り取ったネット記事だけを読んだだけで議論するのは危うい」と警鐘を鳴らすアカウントもあります。

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 2024年現在、学習指導要領における高校国語の科目では、小説や古典、漢文を含む「言語文化」(2単位)は必修科目、「古典研究」(4単位)などは選択科目となっています。

 あなたは、古典・漢文などの授業は無駄だと思いますか? 学ぶべき内容だと考えますか?

(LASISA編集部)