「SNS流行語ランキング」、2024年1〜3月分のランキングトップ10は?

 一般社団法人「ウェブ解析士協会」が、四半期ごとに発表している「SNS流行語ランキング」の、2024年1〜3月分のランキングトップ10を発表しました。

 10位から順に見ていきましょう。

 まず、10位は「LOOK AT ME」でした。

「LOOK AT ME」は韓国のガールズグループ、TWICEが2017年10月にリリースした楽曲です。2023年末ごろからTikTokのダンス動画に使われるようになり再注目。これに応える形で2024年2月23日に当のTWICEがダンス動画をTikTokに公開すると、さらにこの音声を利用した動画投稿も広がり、26.1万件に上りました。

 一般ユーザー間での流行に本家アーティストが反応したことで重ねて人気を呼ぶ展開となり、日本語・英語・韓国語のバージョンが投稿されるなどグローバルで流行が再燃しました。

 9位は「SLIM(JAXA)」でした。

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)が打ち上げた無人探査機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)が2024年1月20日、日本で初めて月面着陸に成功しました。共同開発したタカラトミー、ソニーグループ、SHARPなどがSNS上で応援メッセージを投稿し、大きな反響を呼びました。

 最先端の宇宙開発に身近な企業が関わっていること、また太陽電池で動くSLIMが月面の状況に応じて休眠することなどがSNSで話題に上りました。

 SLIMのSNSアカウントでは専門的な話を一般ユーザー向けに分かりやすく発信しており、幅広い層の関心を集めました。

 8位は「猫の日/猫ミーム」でした。

 2月22日は「猫の日」でSNSが毎年盛り上がります。2024年もXを中心に猫の画像や動画が大量に投稿されました。インフルエンサーや企業アカウントだけでなく一般ユーザーもこぞって猫に関するコンテンツや、猫のコラージュ画像を使ったネタ投稿(猫ミーム)を投稿・拡散しました。

 7位は「Claude」でした。

 2024年3月4日、米Anthropic(アンソロピック)がAIアシスタント「Claude(クロード) 3」を公開。利用者が急増しました。

 Claudeの初代は2021年にリリース。2022年初頭に2代目となるClaude1.3、2023年7月にClaude2と改良を重ねてきました。Claude3ではテキストと画像などの組み合わせが可能になり、すでに普及しているChatGPTなどと比べてどちらが優れているか比べたり意見を述べたりする投稿でSNSが賑わいました。

 6位は「パルワールド」でした。

 日本企業のポケットペア社が2024年1月19日に発売したゲームです。「パル」と呼ばれるモンスターのいる仮想世界で、プレーヤーはさまざまな方法でパルを利用しながら探索したりクエストをこなしたりしてサバイバルをします。キャラクターとの会話や他プレーヤーとリアルタイムな交流もできます。

発売直後から爆発的にプレーヤーが増え、1月31日には世界最大のPCゲームプラットフォーム「Steam」歴代2位となる同時接続者数200 万人を突破。Xbox版もあります。発売から約1カ月で総プレーヤー数は2500 万人を超え、XやYouTubeで話題になりました。

5位以上は音楽、ドラマ、有名人がランクイン

 5位は「チェルシー」でした。

 1971年に発売された明治のキャンディー「CHELSEA(チェルシー)」。2024年3月2日、「53年間のロングセラーも3月に終売となります」との張り紙と山積みの商品を撮った写真が投稿され拡散しました。公式発表がなかったためSNSユーザーは騒然。テレビ局などの取材で3月末での販売終了が確認されると「#チェルシー」や「#最後のチェルシー」などのハッシュタグを付けて惜しむ投稿が多く見られました。

 報道によると消費者嗜好の変化などでシリーズの売上高は年々落ち込んでいたといいます。一方で通常200円台のチェルシーを1000円を超す高値で得る“転売ヤー”も現れ、SNS上で物議を醸しました。

 4位は「不適切にもほどがある」でした。

 2024年1月期のTBS系ドラマ「不適切にもほどがある」。阿部サダヲさん演じる昭和のダメおやじが令和にタイムスリップし、“コンプライアンス”に縛られた現代社会を考える内容が話題になりました。

 放映中は登場人物の発言がSNS上で多数引用され、Xのトレンドワードにたびたびランクイン。また、「不適切にもほどがある」というフレーズをネタとして使った投稿も見られました。

 3位は「インプレゾンビ」でした。

 SNS、特にXで投稿のインプレッション数(閲覧回数)を稼ぐために迷惑な投稿を繰り返すアカウントのことです。

 発端は2023年8月にXが開始した広告収益プログラムです。インプレッション数に応じて広告収益が還元されるので、人気の投稿に便乗して即座に無意味なリプライをつけたり、トレンドワードを羅列して無関係な画像や動画を投稿したりするアカウントが急増しました。

 人気の投稿に群がり、他者との交流などまるで求めていない様子からゾンビのイメージにたとえられるようになり、昨年12月ごろからインプレゾンビと呼ばれるようになりました。

 2024年1月の能登半島地震では救助を求める偽情報の投稿が拡散。また3月には英国のチャールズ国王が亡くなったというフェイクニュースが拡散されました。Xの健全性と信頼性は大きく損なわれ、ユーザー離れが加速しています。対策強化が求められる一方、ファクトチェック(事実確認)教育の必要性が高まっています。

 2位は「大谷さん 結婚」でした。

 大リーグ・ドジャーズの大谷翔平選手が2024年2月29日、自身のInstagramで一般女性との結婚を報告しました。InstagramやXには祝福の声があふれました。一方で「大谷ロス」を嘆く投稿も多数見られ、人気ぶりがうかがえました。

 1位は「Bling-Bang-Bang-Born」でした。

 2024年1月にリリースされたCreepy Nutsの楽曲で、アニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期のオープニングテーマです。独特な歌詞や旋律が話題になり、YouTubeでのミュージックビデオ再生回数が急増。各種音楽チャートで上位にランクインしました。

 非日本語圏でも話題になり、カバー動画やリアクション動画が多数投稿されました。日本語歌詞のみの楽曲がグローバルで流行するのは異例で、音楽シーンに新たな風を吹き込んでいます。

「ウェブ解析士協会」は、2024年1〜3月期のランキングの特徴として、「大地震や著名人の訃報など悲しいニュースが相次いだ中でも、SNSは明るい話題で人々の心をつなぐ役割を果たしました。音楽やドラマ、ゲーム世代や国境を越えて共感を呼ぶ姿は印象的でした」とコメントしています。

 SNSでの流行語、あなたはいくつ知っていましたか?

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 SNS流行語ランキングとは、X(旧ツイッター)やInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSで流行している言葉の中から、SNSマネージャー有資格者への調査に基づきランキングを作成したもの。2022年3月度から四半期ごとに最新の流行語ランキングを、年末には「年間大賞」をそれぞれ発表しています。

(LASISA編集部)