TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS –Spring Excursion- 第2弾として、エアレース・パイロット室屋義秀選手によるエアショーと福島・磐梯吾妻のドライブを組み合わせた旅を2023年4月に実施。室屋選手のホームグラウンド・ふくしまスカイパークでのイベントや、新型RX・LXやLC等で磐梯吾妻スカイラインのドライブなどLEXUSオーナー限定の特別な旅の様子をご紹介。
<後編はこちら>
https://lexus.jp/magazine/20230612/1612/jou_tjj.html
室屋選手のホーム、ふくしまスカイパークへ
吾妻連峰の麓を走る県道5号、通称「フルーツライン」の両サイドには、リンゴやナシの白い花が咲き誇り、花の盛りを過ぎてなお華やかなモモの花が濃いピンク色のアクセントを添える。
フルーツ王国らしい春の景色の中を抜け、急な坂を駆け上がると、美しい山々に抱かれた滑走路が現れる。ここが「ふくしまスカイパーク」。エアレース/エアロバティックパイロットの室屋義秀選手のホームグラウンドであり、今回の旅の出発点だ。
駐車場に続々と集まる参加者の方々のLEXUSには、室屋選手のレッドブル・エアレースのゼッケン番号と同じ、「31」のナンバープレートが見受けられる。その主の室屋選手への想いが伝わってくる。
室屋選手が代表を務めるパスファインダー社が管理する、「ハンガー1」と名付けられた施設のゲートをくぐり、建物の大きなドアを開けると、正面には機体が待ち受けていた。
中央にはシャープなフォルムのエアレース機「エッジ540V3」が、その右手には整備中でフレームを露わにした複座機の「エクストラ330L」が、そして滑走路に一番近い左手にはこの後エアショーに使用される「エクストラ330SC」が控えている。
現役のエアロバティック機やレース機を目の前に着席すると、ドリンクやスイーツの案内がされた。
サクランボ、モモ、ナシ、リンゴ、コメを自家栽培しているという「よつ葉のクローバーFARMERS GARDEN」が、地元福島のリンゴやモモのジュース、オリジナルブレンドコーヒーのほか、リンゴのドライフルーツ入りの紅茶とハーブティー、それに米粉のマフィンも用意してくれている。
「ふくしまスイーツ・プレミアム」の認証も受けているという米粉のマフィンは、しっとりとして果肉感がたっぷり。香り高くフルーティなおもてなしをいただきながら一息つくと、室屋選手の登場だ。会場から大きな拍手が沸き上がる。
「ようこそ福島へ。今日から二日間、どうぞ楽しんで、たっぷり福島を堪能してください」
パスファインダーのスタッフによる案内で航空機展示場の中を巡るハンガーツアーでは、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2017のチャンピオントロフィーをはじめ、ワールドチャンピオンのトロフィーやメダルなど、ここでしか目にすることのできない貴重な展示品が、エピソードとあわせて披露された。
リラックスした親しみやすい雰囲気の中、一行はハンガーを出て、まぶしく陽光に照らされた滑走路へと向かう。
滑走路を歩き、室屋選手のフライトを想像する
この日は新幹線が遅延するほどの強風が吹き荒れていた。遮るもののない800mのまっすぐに伸びる滑走路の上で、風に抗いながら熱心にスタッフの話に耳を傾ける参加者の方々からは、こんな強風でも安全に飛べるのだろうかと心配の声も上がる。
「これくらいの風は、室屋選手なら大丈夫」とのスタッフの言葉に、安堵と驚きと、感服の声が広がった。
ハンガー内に戻ると、展示された機体を間近で見学していく。ひと組ずつ案内され、質問すればスタッフが丁寧に答えてくれる。
シートに室屋選手のヘルメットが置かれたエアロバティック機「エクストラ330SC」のコクピットを覗き込むと、アナログの計器類の真ん中に手描きのシークエンス図が貼られていて、これがこの後披露されるのかと期待が膨らむ。
一方空のF1ともいわれるレース機「エッジ540V3」の計器類はフルデジタルディスプレイで、スタッフの手でスイッチが入れられるまで素っ気ないほどシンプルな眺めで、そのシンプルさが独特の緊張感をもたらしていた。
ハンガー内には、フライトシミュレーターやフライトVR体験も用意された。
フライトシミュレーターは、室屋選手が手掛けるパイロット育成プログラムでも使用される本格的なもので、世界各地の空港を選んで離着陸体験ができる。
パスファインダーのスタッフ指導のもと操縦桿を握ったみなさんは、クルマ好き、運転好きらしく楽しそうに操縦していたが、着陸の難しさには手を焼いたようで、モニターの中で滑走路にひっくり返った航空機を愉快そうに写真に収めたりしていた。
フライトVRは、室屋選手が後席で操縦する複座機の前席に乗るVRが体験できる。初級、中級、上級と3コースが用意されているが、エアロバティック体験ができる上級は「あまりお勧めしない」とスタッフが苦笑い。
そこで初級を体験させていただくと、室屋選手の案内付きで巡るふくしまスカイパーク発の遊覧飛行が始まり、上空から吾妻小富士の火口も覗ける贅沢なフライトだった。
福島づくしの、特製ランチボックス
本来なら滑走路を見ながら、芝生の上でピクニックランチとなる予定だったが、あまりの強風に屋内でのランチとなった。ふくしまスカイパークまで特製のランチボックスを携えてきてくださったのは、道の駅ふくしまの副支配人、佐藤広大さんだ。
「今回は福島県外からお越しになるお客様ということで、あれもこれも詰め込みたい、そんな思いで自慢の素材とレシピでメニューを作りました」
ランチボックスのメニューは、福島県産牛サーロインのビーフカツサンド、福島県産合いびき肉のミートグラタン、福島県産アスパラのうつくしまエゴマ豚ベーコン巻、常磐あおさとシラスのキッシュ、伊達鶏もも肉の塩麴グリル、地場山菜のこごみとこしあぶらの天ぷら、そして福島県産彩野菜のグリル。
福島県は内陸の「中通り」、太平洋に面した「浜通り」、奥羽山脈の西側の「会津地方」の三地域に分かれるが、「まるっと福島を味わっていただけるように」と、それぞれの地域から山の幸、海の幸を取り入れたという。
米どころ福島にもかかわらずメインがサンドウィッチとは新鮮だが、ピクニックで食べやすいようにと、地元福島の特別栽培米「吾妻の輝き」を玄米の粒を残したまま40%配合したパンで、福島県産牛のサーロインのカツを挟んでいる。試作を重ねて牛肉の部位を選んだそうで、「冷めても柔らかいですよ」と誇らしげだ。
「私たちは胸を張って福島県産牛をアピールしますが、他の地域では“国産牛”として提供されることがあるようで、お召し上がりいただいた方に福島県産牛だったことが伝わらないことが残念でなりません」
原子力災害に起因する風評被害は以前ほど感じなくなったものの、「なくなることはないように思います」という。
「対面でご説明しないとなかなか伝わらないもどかしさもありますが、放射能検査などやるべきことを確実に行い、お伝えすることが大切だと考えています。地元の道の駅が、地元の食材を使って、地元の魅力を発信するという、まっすぐな思いを持って取り組んでいます」
「食をとおして福島を元気にする」をコンセプトに、開業当初から福島県産の食材を使用し、情報を集めてきた道の駅ふくしまの心意気だ。
「室屋選手は、空を見上げる機会をいただけるありがたい存在で、昨年4月の道の駅ふくしま開業時にも、空からスマイルをいただきました。震災やコロナで下を向きがちな時に、室屋選手が空に描くスマイルを見上げることで、希望を持つことができました。このような特別な旅に、ご一緒できてとてもうれしいです」
そう語る佐藤さんは、参加者のみなさんからの「おいしい!」という声に、大きな笑顔で会釈を返した。TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS –Spring Excursion-の第2弾 福島・磐梯の旅は後半へ続く。
<TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS>
https://lexus.jp/magazine/journey/touch-japan-journey/
<LEXUS NEWS 室屋義秀選手記事>
https://lexus.jp/magazine/sport/yoshihide-muroya/
■LEXUS PATHFINDER AIR RACING
https://lexus-pathfinder-airracing.com/
■道の駅ふくしま
https://m-fukushima.com/
■よつ葉のクローバーFARMERS GARDEN
https://www.yotuba315.com/