漫才師・テンダラー(白川悟実、浜本広晃)が結成30周年の記念公演を6月末よりスタート。その会見が4月12日、大阪の「吉本興業本社」でおこなわれ、2人が登壇した。笑いの殿堂「なんばグランド花月」(大阪市中央)を皮切りに、10年ぶりにアメリカ・ロサンゼルスでも漫才を披露するという。

■ 公演は「ほぼ漫才」、一部英語にも挑戦

1994年に結成したテンダラー。関西を拠点に活動し、2015年には『第50回上方漫才大賞』大賞を受賞、「劇場番長」の名を欲しいままにしている。現在、白川は53歳、浜本は50歳となった。

30周年記念公演は、大阪、広島、名古屋、東京、ロスの5都市で実施。ロス開催の経緯について浜本は「元阪神・藤川球児さんのエージェントをされていた方がロス在住で、その家族が僕たちのファンだということが分かりまして。そこから飲もうよという話になり、サポートできることがあればします、と」と説明。白川は「ロスにはたむらけんじさんがいるので、宿泊費が浮きますね」と笑いを誘った。

公演は「ほぼオール漫才」と説明し、12月の東京「浅草公会堂」について浜本は「まだボヤッとしているんですけど、結構大きな会場なので、ちょっと違うものを見せられたら」。ロスでは一部「英語漫才」も予定し、2人そろって50歳を越えた現在、英語の勉強を改めてスタートさせたという。

■ 昨年の新ネタに手応え「仕上げたいなって」

漫才師としての実力は折り紙つきの2人だが、意外にも賞レースでの受賞歴は少ない。『M-1グランプリ』への出場は芸歴制限から4度のみ、最後の望みをかけた2004年から「何も出られる大会がない6〜7年があった」と浜本は振りかえる。「その期間も単独ライブは続けてきました。2010年くらいに『大阪できっちりやっていこう』と決めて。そして2011年の『THE MANZAI』で、ビートたけしさんに『おもしろい』と言っていただけたのは本当にうれしかったですね」。

そして、「毎回思いますけど漫才は難しい。これだけ続けていても、正解が分からない。でもとりあえず、『M-1』終わってからもサボらんと単独ライブはずっとやってきて良かったですね。あと、そんなにテレビに良く出てっていうコンビでもないのに、なぜかお客さんが入ってくれたというか・・・だから続けられました」と明かした。

結成16年以上の賞レース『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』の2023年大会はファイナリストとなったが、今年は惜しくも決勝進出とはならなかった。今回の大会は当初、出場するつもりがなかったというが、「昨年10月の単独で出来たネタが、自分的に『なんかいいなぁ、仕上げたいなぁ』と思って」と噛みしめる。

「寄席でやっていくうちに仕上がって、白川くんに『試したいから出てみぃひん?』って相談したら、『お前が言うならえぇよ』と。結果はダメだったんですけど 新ネタをあそこまでもっていけたのは良かったなと思っています」と笑顔を見せた。30年目を迎える今も、テンダラーの挑戦は続く。

『テンダラー結成 30周年記念公演』は6月28日、「なんばグランド花月」にておこなわれる。チケットは当日4500円ほか。そのほかの詳細は後日発表される。