サイコパス傾向と犯罪

 近年よく聞かれる言葉に、「サイコパス」があります。サイコパス傾向も、犯罪を犯しやすいとされる性格特性のひとつです。

 サイコパス傾向は、極度の自己中心性と衝動性を持った人格障害の一種です。ただし、精神病的な症状は見られません。特徴としては、無責任、浅はかな感情、共感性の欠如、罪悪感の欠如、不正直で不誠実などが挙げられます。

 彼らが犯罪を犯してしまう背景には、他人のことを顧みることなく自分の欲求を実現しようとする、自分勝手な考え方があります。また、非情で他人を自分の道具のように扱うという特徴も見られます。

 一般的には非道徳的な性格ですが、自信を持った行動や饒舌な態度から、表面的には魅力的に見えることもあります。

サイコパス傾向の特徴は無責任/浅はかな感情/共感性の欠如/罪悪感の欠如/不正直で不誠実。その犯罪の特徴は⁉【図解 犯罪心理学】

 サイコパス傾向の人は、殺人を犯すこともありますが、その犯行にも特徴があります。彼らは、怒りなどによる衝動的な犯罪は少なく、殺人を手段として用いて何かを行う、道具的な犯罪が多いのです。

 サイコパス傾向は、悪の人格のように思われますが、つねに冷静でリスキーな行動をいとわないことから、勇敢な消防士やイノベーター、救急救命医などとして活躍している人も少なくありません。

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 犯罪心理学』