今日4月19日から二十四節気は春の最後の節、穀雨(こくう)です。
農耕にとって大切な恵みの雨が田畑を潤す時季です。不安定だった春の天気が落ち着き、急に冷え込んだり、霜が降りたりすることもなくなります。道ばたの草木からはフレッシュな緑を感じる香りが増え、次の季節への移り変わりを感じる頃。

穀雨 節の話

大好きなハーブも旬を迎えますが、この季節一番に使いたいと思うハーブはローズマリーです。
地中海沿岸原産、シソ科マンネンロウ属の常緑性低木で、和名はマンネンロウ。日本の気候にも合っていて、生命力も旺盛なので、ご自宅で育てているという方も多いかもしれません。

抗酸化作用が強く、若返りのハーブとしても知られるローズマリー。14世紀、ハンガリーのエリザベート王妃がローズマリーを使って若さを保ち、70歳を超えて隣国の国王に求婚された話はもっとも有名ではないでしょうか。

ローズマリーの使用方法は、ハーブティーやチンキ剤 (アルコールにハーブを漬けて成分を抽出した液) のほか、料理などにそのまま使えます。生花とドライ、どちらでも使うことが可能です。料理の場合は、爽やかなローズマリーの風味を楽しむだけでなく、強い抗菌作用から肉や魚の防腐効果も期待できます。

塩こしょうで下味をつけた肉や魚をローズマリーやほかのハーブと一緒に一晩寝かせ、当日は焼くだけというソテーは、簡単で風味もよく、おすすめです。ただし、ハーブの量が多いとえぐみを感じる場合があるので、少量から試してみるといいでしょう。

精油の場合、同じ学名のローズマリーでもローズマリーシネオール、ローズマリーカンファー、ローズマリーベルベノンなど、異なる名称のものがあります。

これはケモタイプと呼ばれる精油で、同じ種類の植物でも育った環境により含有成分が異なることがあり、それらのタイプを分類したもの。含有成分が異なればそれぞれの精油の効能も変わってきます。一般的にはローズマリーシネオールが三種の中では一番刺激が穏やか。カンファータイプは特に刺激が強く、ベルベノンタイプと並んで、高血圧、乳幼児、妊娠中、授乳中、てんかんの方には精油の使用は禁忌となるので注意が必要です。

ご自宅でローズマリーが育ちすぎて困ってしまうという方は、ハーブティーやお料理だけでは使い切れない場面もありますよね。

そんなときは、剪定したローズマリーを花束のようにまとめ、スワッグにして玄関に飾るのもおすすめです。ドアを開け閉めするたびにローズマリーの香りがふわり。浄化や魔除けにも使われたローズマリーのスワッグは、日々の暮らしをさらに豊かなものにしてくれることでしょう。

【暮らしの手作り】ローズマリーの花冠リース

すっきりと爽やかな香りのローズマリー。花冠タイプのリースにすれば、アクセサリーとしても、インテリアとしても楽しむことができます。

両端をリボンで結ぶ花冠リースは、ある程度おおざっぱに作ってもリボンで調整できるので、きれいに仕上がります。土台にしたワイヤーは、好みの長さにできるほか、楕円や四角など自由な形にアレンジすることも可能。水の雫のような涙形もユニークな雰囲気でおすすめです。

材料(直径20㎝のリース1個分)

写真右から
A.ローズマリー(匍匐性)※1 ……4〜5本
B.花がついたローズマリー(匍匐性、立性※2 どちらでも) ……2〜3本
C.ローズマリー(立性) ……4〜5本

※1(ほふくせい) 茎や枝が地面を這うように成長する品種
※2(たちせい)茎や枝が直立して成長する品種

用意するもの
ワイヤー 18番(1本)
フローラルテープ
リボン
花バサミ
ハサミ

下準備
ローズマリーは、それぞれ5〜6cmに切り、下の葉を2cmほど取り除く。

作り方
1. ワイヤーの先を少し曲げてリボンを結ぶ。反対側も同じようにする。

2. 結んだリボンがはずれないように、テープを端から端まで引っ張りながら巻いて土台を作る。

3. ローズマリーを土台にテープで巻きつける。同じ種類が隣り合わせにならないほうがバランスがよい。

4. 少しずつ巻く位置をずらしながら、同じ手順で葉先が同じ方向になるように巻く。

5. 最後はテープが見えにくくなるよう細めにし、葉先を逆にして巻く。

6. 土台を丸めて端のリボンを結んででき上がり。

ドライフラワーになっても形があまり変わらないローズマリー。いつまでも長く飾っておきたくなります。