自社で工場を持つことをせず、自動車メーカーとのタイアップで次々とヒットEVを世に送り出し続けるファーウェイ。そんな中国のIT大手は、BMWをライバルに設定したようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国EV界で存在感を見せるファーウェイのブランド展開と、同社がBMW車に対抗すべく開発を続けている高級EVを紹介しています。

ファーウェイ&JAC「傲界」25年に販売開始、BMW競合目指す

ファーウェイと中国国有メーカー北汽集団との新ブランド「享界」が2024年4月の北京モーターショーにも発表とされたが、中国地方国有メーカー江淮汽車(JAC)との新ブランド「傲界」も2024年内に発表されることが分かった。

ファーウェイは独自で自動車製造することなく、メーカーとタイアップする形式で存在感を拡大させている。

中国民間メーカー賽力斯との「問界(AITO)」、中国地方国有メーカー奇瑞(Chery)との「智界(LUXEED)」に次ぎ、2024年内にこの「界」シリーズは4ブランドになる見込み。

JACとLICV

JACは2024年新春挨拶で、ファーウェイと協業して打ち出すラグジュアリー・インテリジェント・コネクテッド・ヴィークル(LICV)電動車は2025年に販売開始する、とした。

JACは2023年12月1日、ファーウェイと「スマート新エネルギー車協力協議」を締結。この協議により、双方はファーウェイのスマートカーソリューションに基づき、製品の開発、生産・製造、販売、サービスなど多くの領域で全面的に協力していき、LICVを打ち立てる、としていた。

JACは商用車が有名で、乗用車でもミニバンなどをリリースしているが、依然として安かろう悪かろうのメーカー。そこにファーウェイが入ると、高品質化し高価格帯でも売れる、というのは、一応AITOで立証されている。

JACに限らないが、中国の自動車メーカーは通常、膨大な余剰自動車生産能力を有しており、ファーウェイとの取り組みはそれを活用できるというメリットもある。

初弾は高級セダン

JACとファーウェイのブランドは「傲界」になる見込みで、同ブランド傘下では現在、セダン、SUV、ミニバンの3種類の大型車の研究開発が進んでいるという。

その中で初弾は、100万元(約2,000万円)クラスのセダンになる見込みで、BMW 7シリーズを競合と位置付け、2024年12月までの発表を目指している。

JAC製造車がBMWの高級車と対抗、という自体、バグっている感はあるが、ファーウェイの自動車業界における自信も感じさせる。

続々発表の「界」

JACの安徽省肥西スーパー工場が間もなく竣工するともされており、両者の協業車は同工場での生産が想定されているとされるが、両者とも今のところコメントを発していない。

ファーウェイは2024年1月、北汽集団との協業車を2024年6月にも販売開始すると発表しており、業界ではその前の2024年4月北京ショーでの披露、新ブランドは「享界」となる見込みと報じている。

JACとの「傲界」も、2024年央にも正式に発表されるかもしれない。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202402/8I70382534C601.shtml

※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。

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